サハリン

精選版 日本国語大辞典 「サハリン」の意味・読み・例文・類語

サハリン

(Sahalin) 北海道北方、オホーツク海西南部に位置する細長い島。古くは北蝦夷(きたえぞ)と称した。日露戦争結果、南半は日本領土となり、昭和二〇年(一九四五)までは日本の統治下で、以後ソ連領土に編入され、現在はロシア領。樺太(からふと)

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デジタル大辞泉 「サハリン」の意味・読み・例文・類語

サハリン(Sakhalin/Сахалин)

北海道の北方にある島。間宮海峡を隔ててシベリアに接する。江戸時代に日本人・ロシア人入植、明治8年(1875)千島と交換してロシア領となり、明治38年(1905)日露講和条約により北緯50度以南は日本領となったが、第二次大戦後、全島ソ連領、ソ連邦解体後はロシア領となる。面積7万7000平方キロメートル。樺太からふと

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百科事典マイペディア 「サハリン」の意味・わかりやすい解説

サハリン

宗谷(ラ・ペルーズ)海峡を隔てて北海道と,タタール間宮)海峡を隔ててシベリアに対し,東はオホーツク海に面する南北に細長いロシア領の島。旧日本名は樺太(からふと)。東岸と西岸を二つの山脈が並行して走り,その間をティミ川,ポロナイ(幌内)川が流れる。最高点1609m。冷温帯に属し,大部分はタイガにおおわれる。木材・製紙工業,漁業が重要で,一部で牧畜,野菜栽培が行われる。西部で石炭,北東部で石油,天然ガスを産する。 新石器時代の遺跡が各地にあり,北部にウイルタオロッコ)族,ニブヒギリヤーク)族が居住したとされる。日本との関係では,江戸時代に松前藩が経営に当たり,18世紀末には島の南端に漁場を設け,労働力として雇用されたアイヌは経済的従属を強いられた。1807年幕府直轄地。この間,ロシア人・オランダ人の探検が行われたが,北海道の一部と誤認間宮林蔵が島であることを確認。1855年日露和親条約で両国共有地となり,明治政府のもとで1870年樺太開拓使設置。1875年樺太・千島交換条約でロシア領。日露戦争後ポーツマス条約で北緯50°以南が日本領となり,日本は樺太庁を設置し,その後北樺太における各種の利権も獲得,北樺太石油会社や北樺太鉱業会社を設立。日本人移民は1941年末に40万を超え,次いで朝鮮からの徴用労働者も1945年までに4万に及んだ。第2次大戦後ソ連領,ロシア連邦サハリン州に属し,州都ユジノ・サハリンスク(旧日本名,豊原)。[サハリン沖石油・ガス田] サハリン北東部の大陸棚に埋蔵されている原油・天然ガスを日ロで共同開発する計画は,ソ連時代の1975年に調印されたが,多くのプロジェクトのうち,〈サハリン1〉は日米欧など,〈サハリン2〉は米国主導で始まり日英蘭などが参加し,一部は1999年から生産を開始したが,2006年ロシア政府がサハリン2の開発認可を取り消す決定を下すなど,今後の見通しは不透明である。同海域には石油10億t以上,天然ガス3.6兆m3賦存する。7万6400km2。54万7000人(2002)。
→関連項目ガスプロム[会社]宗谷海峡宗谷岬タタール海峡千島列島東韃紀行北方領土問題ホルムスクポロナイスク松浦武四郎最上徳内

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「サハリン」の解説

サハリン
Sakhalin

日本では樺太(からふと)という。先住民は清国に朝貢して,交易関係を持っていた。18世紀末から19世紀初めに日本とロシアが進出した。1875年の樺太‐千島交換条約で,サハリンは北クリル諸島との交換でロシア領となったが,ロシア帝国はここを監獄として使った。日露戦争の際,日本は全島を占領し,その領有を求めたが,ポーツマス条約で,南半部のみ割譲された。第二次世界大戦のさなか,ソ連は対日参戦の代償として,ヤルタ協定で南半部を取り戻すことを米英に認められ,戦闘を通じて,占領し,46年併合した。日本はサンフランシスコ講和条約で,権利を放棄した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サハリン」の意味・わかりやすい解説

サハリン
さはりん
Сахалин/Sahalin

北海道の北に、南北に長く連なる大島、樺太(からふと)のロシア名。もともとは満州語の「サガリェン・アンガ・ハタ」(「黒い川の河口の峰」の意)からきている。「黒い川」とは黒竜江(アムール川)をさす。

[編集部]

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世界大百科事典 第2版 「サハリン」の意味・わかりやすい解説

サハリン【Sakhalin】

ロシア連邦の東端,北海道の北方に位置し,北緯45゜54′から54゜20′まで948kmにわたり南北に細長くのびる島。旧日本名は樺太。古くは唐太とも書き,北蝦夷地とも呼ばれた。北海道とは宗谷海峡(幅43km)によって,またアジア大陸とはタタール(間宮)海峡(最狭部は幅7.3km)によって隔てられる。北緯50゜以南の南サハリンは1945年まで日本領であったが,第2次大戦後ソ連に併合され,現在はサハリン全島が千島列島とともにロシア連邦サハリン州を構成している。

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旺文社世界史事典 三訂版 「サハリン」の解説

サハリン

樺太

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世界大百科事典内のサハリンの言及

【樺太・千島交換条約】より

…同年8月22日批准,11月10日布告。明治政府が旧幕府からひきついだ北方領土の状況は,安政1年12月21日(1855年2月7日)調印の日露和親条約以来,樺太(サハリン)は日露両国民雑居の地とされ帰属未解決のままであり,千島(クリル)列島は択捉(えとろふ)島,ウルップ島の間を日露の境界とし,その以北をロシア領としてきた。イギリス公使パークスは日本の樺太放任はロシア領化を招くと警告し,ロシアに売却するか代地と交換するのを良策とし,むしろ北海道開拓に専念するよう忠告した。…

【樺太庁】より

…南樺太を管轄した日本の植民地行政官庁。1905年(明治38),日露講和条約で日本がサハリン島の北緯50゜以南を領有したため,占領時の樺太民政署の後身として,07年同庁官制(勅令)で設置された。所在地は08年以来豊原(現,ユジノ・サハリンスク)。…

※「サハリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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