デジタル大辞泉
「サブプライムローン問題」の意味・読み・例文・類語
サブプライムローン‐もんだい【サブプライムローン問題】
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「サブプライムローン問題」の意味・わかりやすい解説
サブプライムローン問題【サブプライムローンもんだい】
2007年3月,米国の大手住宅ローン会社の経営難をきっかけに世界の株式市場を襲った株安と,それに伴う諸問題。サブプライムローンとは,米国の金融機関が信用力の低い人に向け,自動車や住宅などを担保に年率20〜30%の高金利で融資する住宅ローンのことで,収入証明を必要としないなど審査基準が緩いため,借り手が多く大きな市場となっている。2003年後半以降,米国では住宅価格が上昇していたが,2006年から頭打ちとなり,ローン返済の延滞や差し押さえが急増,不良債権化が進み,住宅ローン会社の経営を圧迫することとなった。その結果,各金融機関で信用不安が広がり融資が控えられた。サブプライムローンの総額は日本円で170兆〜180兆円で,そのうち16%にあたる30兆円の返済が滞っていると言われている。また,サブプライムローンは貸付債権として小口証券化され,さまざまな金融商品に組み込まれていた。それらは高い利回りが期待できる金融商品として国際的に販売されていたため,これらに投資していた欧米の金融機関やヘッジファンドの損失が相次ぎ,市場から撤退,世界的な株安をもたらした。深刻な金融不安を受け,米国連邦準備制度理事会や各国中央銀行は,市場への資金供給を増額するなどの対策を実施,2007年8月ブッシュ米大統領は,この問題の被害者救済を表明した。米大手銀行シティグループはこの問題に絡み,235億ドル(約2兆5000億円)の損失を計上,みずほフィナンシャルグループの関連損失は5650億円となった。こうした事態を前に米国の金融機関は外国の政府系ファンドに巨額増資を要請,アラブ首長国連邦のアブダビ投資庁やクウェート投資庁,中国投資などから出資を受けるかたちとなった。しかし,こうした金融支援にもかかわらず,サブプライムローンに端を発した米国金融危機はさらに拡大し,2008年米国の大手証券会社・銀行・フィナンシャルグループが相次いで公的資金資本注入を受け入れざるを得ない事態となり,大恐慌以来といわれる世界的な経済危機を招いた。
→関連項目HSBC・ホールディングズ[会社]|世界金融危機
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