サルドゥー(読み)さるどぅー(英語表記)Victorien Sardou

精選版 日本国語大辞典 「サルドゥー」の意味・読み・例文・類語

サルドゥー

(Victorien Sardou ビクトリアン━) フランス劇作家風俗喜劇分野から正劇(ドラーム)に転じ、パリ劇壇にメロドラマ様式の史劇を流行させた。代表作トスカ」「サン・ジェーヌ(無遠慮)夫人」。(一八三一‐一九〇八

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サルドゥー」の意味・わかりやすい解説

サルドゥー
さるどぅー
Victorien Sardou
(1831―1908)

フランスの劇作家。初めミュッセの影響を受けたが不評で、スクリーブ流の「よく作られた脚本」に倣い『金釘(かなくぎ)流』(1860)で成功した。以後『別れよう』(1880)のような社会劇、ついで『フェドラ』(1882)、『トスカ』(1887)などのメロドラマは大女優サラ・ベルナールの当り芝居となり、晩年は『サン・ジェーヌ夫人』(1893)などの史劇に集中し、演劇のあらゆるジャンルにわたって書きまくった。内容には乏しいながら舞台をおもしろくする目的は達し、ロマン主義演劇が崩壊して、写実主義演劇が樹立されるまでをつなぐ役目を果たした。

[本庄桂輔]

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世界大百科事典 第2版 「サルドゥー」の意味・わかりやすい解説

サルドゥー【Victorien Sardou】

1831‐1908
フランスの劇作家。巧妙な筋立てとしゃれた対話により,スクリーブやデュマ(子)と並んで,19世紀後半のパリ劇界を風靡した。まず医学を志したが,やがて文学転向,1854年に最初の戯曲《学生酒場》を上演したが完全な失敗に終わり,数年間劇作の筆を絶つ。58年に女優ブレクールと結婚してから再び劇作に意欲を燃やし,《フィガロの最初の武器》(1859)と《金釘流》(1860)がたてつづけに成功を収めて,新進劇作家としての名声を確立した。

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百科事典マイペディア 「サルドゥー」の意味・わかりやすい解説

サルドゥー

フランスの劇作家。巧みな技法で世相を風刺したものが多く,風俗劇《金釘(かなくぎ)流》《ブノアトン一家》,プッチーニのオペラで知られる《トスカ》など40編以上の戯曲がある。

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