山川 世界史小辞典 改訂新版 「サン・ジェルマン条約」の解説
サン・ジェルマン条約(サン・ジェルマンじょうやく)
Saint Germain
第一次世界大戦の結果,パリ西郊サン・ジェルマンで1919年9月10日連合国と新生オーストリア共和国が調印した講和条約。オーストリアは旧オーストリア‐ハンガリー帝国からチェコスロヴァキア,セルビア人・クロアチア人・スロヴェニア人王国(ユーゴスラヴィア),ポーランドの独立,ハンガリーの分離を承認し,ハンガリーとともに賠償義務を負い,兵力を3万人に削減することなどが決められた。また同民族のドイツとの合邦も禁じられ,ブレンナー峠に至るまでの南ティロル,トリエステをイタリアに,ダルマツィア,クライン・ケルンテンの一部をユーゴスラヴィアに,ガリツィアをポーランドに割譲し,オーストリア領はかつての帝国の26.6%にとどまった。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報