ザミンダール(その他表記)zamīndār

精選版 日本国語大辞典 「ザミンダール」の意味・読み・例文・類語

ザミンダール

  1. 〘 名詞 〙 ( [ヒンディー語] Zamindār )[ 異表記 ] ザミーンダール
  2. ( ペルシア語で土地所有者の意 ) 北インドをイスラム勢力が支配し、ムガール帝国を建設して以来、領主地主、地租徴収請負人の称。
  3. 一八世紀末以降、イギリスがインド支配に用いた税制の一つ。納税を定額化するため、地租徴収人を真の土地所有者とし、一〇年間の納税額の平均を永久税率とした。ザミンダリ制度

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ザミンダール」の解説

ザミンダール
zamīndār

インドの土地所有層を呼ぶ用語の一つ。ペルシア語で土地(ザミーン)を持つものという意味。東インド,南インドの一部,北インドに分布し,そのなかには多様な階層が含まれる。東インドと南インドでは大土地所有者を,北インドでは村を共同所有する上層農をさすことが多い。ベンガルのザミンダールはイスラーム支配以前から存在する地方支配者から,ムガル宮廷などによって任命された者まで,さまざまな系譜を引く者を含んでいた。その規模も複数の県にまたがる巨大なものから,村の一部を所有するにすぎないものまで多様だった。大ザミンダールは領主的性格を持ち,兵力を維持し,裁判権を行使し,課税も行った。1793年に導入されたザミンダーリー制で領主的性格を奪われ,地主化した。

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旺文社世界史事典 三訂版 「ザミンダール」の解説

ザミンダール
Zamīndār

ペルシア語で土地所有者を意味する。インドのイスラーム王朝のもとでのヒンドゥー教徒の地主をさす
ムガル帝国初期,地租徴収請負人として現れた。イギリスの支配下にはいってから,1793年にベンガル地方で徴税請負人を法的にザミンダールに定め,毎年一定額の納税義務を負わせた(ザミンダーリー制)。彼らは農民から搾取して差額を着服した。この制度は北インド各地に及んだ。

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