精選版 日本国語大辞典 「シアン」の意味・読み・例文・類語
シアン
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【Ⅰ】シアン(cyanogen):(CN)2(52.03).ジシアン(dicyan)ともいう.塩化銅(Ⅱ)または硫酸銅(Ⅱ)の濃水溶液に,シアン化カリウムまたはシアン化ナトリウムの濃水溶液を加えると生成する.-90 ℃ では斜方晶系結晶で,N≡C-C≡Nの直線形分子.N-C約1.15 Å,C-C約1.38 Å.室温では猛毒の無色の気体.淡いアーモンド臭がある.融点-27.9 ℃,沸点-21.2 ℃.水に易溶,アルコール類,エーテルに可溶.水溶液は加水分解して,シアン化水素HCNとシアン酸HOCNになる.また,アルカリ水溶液ではシアン化アルカリになる.これらの性質はハロゲン(たとえば Cl2)に似ているので,ハロゲノイドともいわれる.水溶液を室温で長く放置すると,シュウ酸,アンモニア,尿素など種々のものを生成する.燃焼させるとピンク色の炎をあげて燃え,4600 K の高温に達するので炎光分析(フレームスペクトル)に用いられる.300 ℃ で長く加熱すると,褐色固体のポリマーのパラシアン(paracyanogen)になる.さらに加熱すると,パラシアンは約800 ℃ で再分解をはじめて (CN)2 を生じ,さらに約1000 ℃ で遊離基CNを生じはじめ,約1500 ℃ 以上になるとCとNとに分解する.パラシアンは図のような鎖状のポリマーと考えられる.
シアンは,有機合成やチオシアナト化合物合成の原料となるほか,殺虫剤として用いられる.[CAS 460-19-5]【Ⅱ】シアン(cyan):青緑色系の色.たとえば,カラー写真などでポジの赤,青,緑の三原色中,赤の補色で,ネガではポジの赤色に対応した部分をこの色で着色する.吸収の中心は約650 nm.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
炭素と窒素の化合物。シアノーゲン、ジシアン、オキサルニトリルなどともいう。触媒の存在下で、シアン化水素を空気または塩素、二酸化窒素で直接酸化して得られる。金属シアン化物の熱分解や、硫酸銅(Ⅱ)水溶液とシアン化アルカリ水溶液との反応によっても得られる。無色の気体。苦扁桃臭がある。N≡C-C≡Nの直線分子。青色の炎をあげて燃える。酸素と混合して燃焼させると、炎の温度は約5000℃にも達する。水溶液は分解してシアン化水素、シアン酸を生成し、アルカリ性溶液でシアン化物とシアン酸塩を生じるなど、ハロゲン元素と似た性質を示す。エーテルなど有機溶媒に溶けやすい。吸熱化合物であるが、純粋なものは850℃まで安定である。不純なものは300~500℃で重合して、褐色のパラシアンの塊を生じ、800℃でシアンにふたたび分解する。シアンの誘導体も重合しやすい。シアン化水素と同じく猛毒で、蒸気の最大許容量は10ppmという。
[守永健一・中原勝儼]
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
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