シャン[州](読み)シャン

百科事典マイペディア 「シャン[州]」の意味・わかりやすい解説

シャン[州]【シャン】

ミャンマー東部,シャン高原を中心とする,おもにシャン族の居住する地域。古くから多数の藩王国に分かれていたが,1922年に統合され,ビルマ連邦成立(1948年)後にシャン州となった。15万5801km2。485万1000人(2000)。シャン高原は,マンダレー以東,標高1000〜1300mの丘陵地帯で,北部は中国雲南省の山地に連なる。タンルウィン川が深い峡谷をつくって南北に貫流,鉱物資源が豊富である。州都タウンジー。1960年代に自治権・独立を求める動きが武装闘争に発展した。1993年12月には麻薬王クンサーが民兵を率いて独立を宣言した。シャン州東部のタイ,ラオス,ミャンマー国境地帯はケシ栽培の盛んな〈黄金の三角地帯(ゴールデン・トライアングル)〉に接し,麻薬売買と密貿易が反政府勢力の資金源となっている。
→関連項目ミャンマー

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世界大百科事典 第2版 「シャン[州]」の意味・わかりやすい解説

シャン[州]【Shan】

ミャンマーの7州の一つ。面積国土の1/4近い15万8000km2,人口442万(1994)。州都はタウンジー。同国東部,北緯19゜20′と24゜9′,東経96゜13′と101゜9′の間に位置し,北東は中国,東はラオス,南東はタイ,南はカヤー州,西はマンダレー,サガイン両管区,北はカチン州と接する。州の中央やや東寄りをサルウィン川が,ラオスとの国境にはメコン川が,それぞれ流れる。州全体が標高1000~1500mの高地にある。

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