ジェンティレスキ(英語表記)Gentileschi, Orazio (Lomi)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジェンティレスキ」の意味・わかりやすい解説

ジェンティレスキ
Gentileschi, Orazio (Lomi)

[生]1563頃.ピサ
[没]1647頃.ロンドン
イタリア画家。女流画家アルテミシア・ジェンティレスキの父。兄アウレリオのもとで修業したのち,若くしてローマに出て 1620年まで当地で活躍。その後ジェノバ (1621~23) ,パリ (25) を経てロンドンに渡り (26) ,没年までイギリスの宮廷画家として活躍した。画風は優美な形態と精妙な光の効果を特色とし,カラバッジオの影響が著しい。主要作品は『聖チェチリアと天使』 (06頃,コルシーニ・コレクション) および『エジプト逃避行途上の休息』 (26頃,ルーブル美術館,ウィーン美術史美術館) 。

ジェンティレスキ
Gentileschi, Artemisia

[生]1597頃.ローマ
[没]1651以後.ナポリ
イタリアの女性画家。オラツィオ・ジェンティレスキの娘。父および G.レニのもとで修業。トスカナ地方 (1621~26頃) ,ローマ,ロンドン (1638~39) ,ナポリで活躍。オラツィオの画風を受け継ぎ,ナポリの画家たちに影響を与えた。主要作品は『聖カルロ・ボロメオの奇跡』 (1620以前,フィレンツェ,チェッコーニ・コレクション) ,『洗礼者ヨハネの誕生』 (プラド美術館) ,『ホロフェルネスの首をはねるジュディス』 (ウフィツィ美術館,カポディモンテ国立美術館) 。

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世界大百科事典 第2版 「ジェンティレスキ」の意味・わかりやすい解説

ジェンティレスキ【Orazio Gentileschi】

1563‐1638ころ
イタリアの画家。本名ロミOrazio Lomi。トスカナ地方のピサ出身で,マニエリスム的な教養を持っていたが,ローマでカラバッジョ様式の影響を受け,カラバッジョ主義の画家の中でもっとも芸術的に水準の高い明暗様式を作り出した。フランスに行き,ついで娘の女流画家アルテミジアArtemisia Gentileschi(1597‐1652か53)とともにロンドンに住んで明暗効果の強いカラバッジョ様式をこれらの国々に伝えた。

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