日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジャージー(動物)」の意味・わかりやすい解説
ジャージー(動物)
じゃーじー
Jersey
哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。家畜ウシの乳用品種で、イギリス海峡にあるチャネル諸島のジャージー島で、ブルトンとノルマンの交雑種を200年にわたって純粋繁殖して成立し、1866年から登録開始。毛色は淡褐色、暗褐色と個体変異があり、頭、頸(くび)、肩、臀(しり)などは濃くぼかしになっている。体の下部、足の内側は淡色で、雄のほうが毛色は濃い。鼻鏡は黒く、その周囲に白い毛の輪があり、頭面はしゃくれ、角(つの)は短い。体格は典型的な乳用型で小さく、体重は雌380キログラム、雄700キログラム、体高は雌1.22メートル、雄1.35メートル。性質は温順であるが神経質。早熟で、年間総乳量は3600キログラムほどであるが、乳質が優れ、乳脂率は5%と高く、バターの原料乳に適する。日本には1874年(明治7)に初めて輸入されたが、1954年(昭和29)から翌年にかけて、原料乳生産のため1万2000頭ほどが集中的に輸入された。
[西田恂子]