スカーフ問題(読み)すかーふもんだい

知恵蔵 「スカーフ問題」の解説

スカーフ問題

イスラム世界の覇者だったオスマン帝国が崩壊後、1923年に成立したトルコ共和国は、37年の憲法改正で世俗主義国家であることを宣言し、政教分離を国是とした。それを根拠に、イスラム教徒の女性が頭髪などを覆い隠すために着用するスカーフ(ベール、へジャブ)類は、トルコ国内の学校や政府機関など公的な場では禁じられている。国民の99%がイスラム教徒の国で、コーランの教えに忠実な信心深い女性にとって、個人の信教の自由を侵害し、高等教育の機会が奪われるなどとして人権侵害との立場から反発根強い

(安東建 朝日新聞記者 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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