スティーブン(その他表記)Stephen

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スティーブン」の意味・わかりやすい解説

スティーブン
Stephen

[生]1097頃
[没]1154.10.25. ドーバー
イギリスノルマン朝最後のイングランド王 (在位 1135~54) 。ウィリアム1世の娘アデラとフランスブロア伯エティエンヌの間の第3子。伯父ヘンリー1世世継ぎの男子なくして没すると,ただちにイギリスに渡り,一部の貴族とロンドン市民の支持を獲得,次いで教皇インノケンチウス2世から即位の認証と聖跋の承認を得て即位。 1139年ヘンリー1世の娘マティルダ王位を要求してイングランドに侵入したため,国内の貴族は2派に分れて争う内乱状態に入った。 41年スティーブンは敗れて捕えられたが釈放後勢力を回復,内乱は 53年まで続いた。この間有力な貴族は地方官職を私物化し,王権はまったく弱体化した。同年ようやく和約が成立しスティーブンの王位が認められた。しかし彼は翌年没し,和約の条件により彼の跡はマティルダの子でアンジュー伯であったアンリが継ぎ,ヘンリー2世として即位,プランタジネット朝を開いた。

スティーブン
Stephen, Sir Leslie

[生]1832.11.28. ロンドン
[没]1904.2.22. ロンドン
イギリスの批評家。ケンブリッジ大学卒業。 1871年『コーンヒル・マガジン』の主筆となり文芸批評家として活躍。批評論集書斎での時間』 Hours in a Library (1874~79) ,名著『18世紀イギリス思想史』 History of English Thought in the Eighteenth Century (76) など多数の著書があるほか,『イギリス伝記辞典』 Dictionary of National Biography (26巻) の編者としても有名次女は小説家 V.ウルフ

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改訂新版 世界大百科事典 「スティーブン」の意味・わかりやすい解説

スティーブン
Leslie Stephen
生没年:1832-1904

イギリスの著述家。ケンブリッジ大学卒業後聖職についたが,宗教に疑いを抱き文学に転ずる。文芸雑誌《コーンヒル・マガジン》の主筆(1871-82),《イギリス文人評伝叢書》の主幹や《イギリス国民伝記辞典》の初代編集長(1882-91)などを歴任,イギリス文壇の大御所的存在となり,多くの著作がある。彼の死後,その遺児(バネッサとバージニア・ウルフ)を中心にいわゆるブルームズベリー・グループが形成された。
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スティーブン(ブロアの)
Stephen
生没年:1097ころ-1154

イングランド王。在位1135-54年。フランスのブロア伯家の出身。イングランド王ヘンリー1世の甥に当たる。1135年ヘンリーが死ぬと,ロンドン市民の支持を得て王を称し,ヘンリーの娘で王位を主張するマティルダとの間に18年間の内乱を引き起こす。一時マティルダ側に捕らえられたが,釈放後も抗争をつづけ,国内は大いに乱れた。53年和約が成立,王位を認められたが,翌年死に,マティルダの子がヘンリー2世として王位を継いだ。
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百科事典マイペディア 「スティーブン」の意味・わかりやすい解説

スティーブン

イングランド,ノルマン朝最後の王(在位1135年−1154年)。フランスのブロアの出身でイングランド王ヘンリー1世の甥にあたるところから,ヘンリーの死後即位。これを契機にヘンリーの娘マティルダとの間に18年に及ぶ内乱となった。一時マティルダ側に捕らえられたが,釈放後も争いを止めず,マティルダの子供のヘンリー(のちの2世)を王位継承者とすることを条件にして1153年王位を認められ,翌年死去。

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世界大百科事典(旧版)内のスティーブンの言及

【ノルマン朝】より

…しかし彼の息子ウィリアムが1120年不慮の海難で水死したため,ヘンリー1世の死後王位をめぐる闘争が生じた。ヘンリー1世は生前その娘の,神聖ローマ皇帝ハインリヒ5世の寡婦でフランスのアンジュー伯ジョフロアと再婚していたマティルダを後継者に定めていたが,王の死後,彼の甥でフランスのブロア伯の弟スティーブンが一部の貴族とロンドン市民の支持を得て,いち早く即位(存位1135‐54)した。そのため王位を主張するマティルダとの間に18年にわたる大内乱が生じた。…

【マティルダ】より

…28年アンジュー伯ジョフロアと再婚,男子アンリ(のちのヘンリー2世)を産む。35年ヘンリー1世が死に,従兄でブロア伯の弟スティーブンが王を称したのに対し,みずからの王位継承を主張してイングランドに攻め込み,18年間にわたる内乱を引き起こした。彼女はのち後事を息子に託してノルマンディーに隠退するが,53年スティーブンの王位を認める代りに彼の死後マティルダの子アンリが王位を継ぐことを条件に和約が成立した。…

※「スティーブン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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