ストラスブール大聖堂(読み)ストラスブールダイセイドウ(その他表記)Cathédrale, Strasbourg

デジタル大辞泉 「ストラスブール大聖堂」の意味・読み・例文・類語

ストラスブール‐だいせいどう〔‐ダイセイダウ〕【ストラスブール大聖堂】

Cathédrale Notre-Dame de Strasbourgフランス北東部、グラン‐エスト地方、バ‐ラン県の都市ストラスブールにある大聖堂。11世紀に創建火災大部分が破壊された後、12世紀から15世紀にかけてゴシック様式で再建。地元産の褐色砂岩を用いているため、赤味を帯びた外壁を特徴とする。13世紀のステンドグラス、19世紀の天文時計などがある。大聖堂があるイル川中州の旧市街、グランディルは、1988年に世界遺産(文化遺産)に登録された。ノートルダム大聖堂

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改訂新版 世界大百科事典 「ストラスブール大聖堂」の意味・わかりやすい解説

ストラスブール大聖堂 (ストラスブールだいせいどう)
Cathédrale, Strasbourg

フランス東部,ストラスブールにある大聖堂。代表的ゴシック建築の一つ。1015年に建てられたロマネスク様式大聖堂の火災(1176)後再建され,袖廊は1190-1240年,身廊は1240-75年に建造された。1277年以来,工匠エルウィン・フォン・シュタインバハErwin von Steinbach(1244ころ-1318)らの指揮下に造られた,ボージュ山地産のばら色の砂岩による西正面は,ゴシック・レーヨナンgothique rayonnant様式の傑作。垂直線を強調し,上昇感をあおる造形をみせる。尖塔は,当初の予定を変更し北側のみ完成。南扉口の〈シナゴーグ〉(1230ころ)は,盛期ゴシック特有の端正さと優雅さをただよわせる。しかし一方,同じ南扉口の左側タンパン彫刻聖母の死》(1230ころ)や西正面中央扉口側壁の彫像群(1280ころ)は,不気味なまでの情感表現と細部描写(衣の襞(ひだ),髪,髭(ひげ)など)を見せ,そこには,より精神的なものを志向するドイツ・ゴシック的な表現が現れている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ストラスブール大聖堂」の意味・わかりやすい解説

ストラスブール大聖堂
ストラスブールだいせいどう
La Cathédrale Notre-Dame, Strasbourg

フランスのストラスブールにある聖母マリア大聖堂。 1176年あるいは 1190年に古い聖堂跡に起工され,ロマネスク様式のクリプトアプス,北翼廊は早期に完成し,ゴシック様式の身廊および南翼廊は 13世紀末までに完成している。 1277年エルビン・フォン・シュタインバハにより西正面の建造が始められ,1439年にはウルリヒ・フォン・エンジンガー施工の双塔を備えた大聖堂がほとんど完成した。中心にばら窓をもつ4層のファサードに高い左右双塔を備えたこの聖堂は,サン・ドニ修道院聖堂の系統を継ぐドイツ・ゴシック建築の最も美しい作例である。第2次世界大戦で南塔を失ない,ファサードを飾っていた 13~14世紀のゴシック彫刻も複製に代えられているが,最も有名な『シナゴーグ像』は,聖堂付属のノートル・ダム美術館に保存されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ストラスブール大聖堂」の意味・わかりやすい解説

ストラスブール大聖堂
すとらすぶーるだいせいどう
Cathédrale Notre-Dame de Strasbourg

フランス北東部アルザス地方の中心都市ストラスブールにある、聖母に捧(ささ)げられたカテドラル(司教座をもった聖堂)。赤みがかった褐色砂岩を用いている。1015年献堂のロマネスク様式聖堂が1176年の火災で破損したのち、残ったクリプト(地下礼拝堂)やアプス、正面玄関部の一部を保ちつつ、1180年から1270年にかけてゴシック様式で再建された。正面玄関部はのち破壊されたが、北側の塔とともに1276~77年に修復されている。1870年から71年の戦争による徹底的な破壊にもかかわらず、彫刻やステンド・グラスも含めてみごとに修復された。正面玄関部と南北翼廊部の扉口に13世紀中ごろの彫刻が残る。また内部の南側翼廊中央に立つ「天使の柱」の彫刻が美しい。1250~70年に制作されたステンド・グラスも、北翼廊部の「バラ窓」をはじめとして質の高さを誇っている。この聖堂があるストラスブールの旧市街は1988年に世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。

[名取四郎]

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百科事典マイペディア 「ストラスブール大聖堂」の意味・わかりやすい解説

ストラスブール大聖堂【ストラスブールだいせいどう】

ストラスブールにあるゴシック建築の大聖堂。フランス,内陣は12世紀末,袖廊(しゅうろう)と身廊,西正面は13世紀に建造され,15世紀に完成した塔の高さは142mにも達する。フランスのゴシック様式を基本にしながらドイツの諸要素が入り混じっている。
→関連項目ストラスブール

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