バショウ科ゴクラクチョウカ属Strelitziaに属する多年草で,南アフリカに4~5種を特産する。葉は対生し,革質で,バショウの葉に似る。葉鞘(ようしよう)の間から花茎を伸ばし,その先に花がつくが,舟形の仏焰苞(ぶつえんほう)の上に白・橙黄色などの花が数花咲く。オオギバショウモドキS.alba(L.f.)H.C.Skeels(=S.augusta Thunb.)はケープタウン,ナタールの森林湿地に自生し,直立した茎を有し,高さは10mにもなる。葉は鮮緑色で光沢があり,茎の頂部から左右へ扇を広げたように展開し,葉身だけで長さ60~120cmに及ぶ。花は仏焰苞が紫灰色,萼と花冠は純白でみごとである。ルリゴクラクチョウカS.nicolai Regel et Koern.は,南アフリカ原産。前種に似るが,花はさらに大きく仏焰苞は帯赤栗褐色,花冠は青い。ゴクラクチョウカS.reginae Banks(英名bird-of-paradise flower)はケープタウン原産。高さ1~2mで,株もとから葉柄がなん本も立ち上がり,その先に長さ40cm,長楕円形の葉をつける。仏焰苞は緑色,花は橙黄色,舌状花弁は碧紫(へきし)色で美しい。切花としてよく使われ,日本でも暖かい地方ではハウスでの切花栽培がさかんである。
いずれも性質は強く,乾燥ぎみにつくる。冬は3~5℃以上を保つのがよいが,生育適温は10℃以上。つねに日当りのよい場所に置く。培養土は肥沃なものがよい。繁殖は株分けで6月ごろ,まれに種ができるが,これは5月にまく。
執筆者:坂梨 一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
バショウ科(APG分類:ゴクラクチョウカ科)の常緑多年草で、南アフリカに5種が自生する。代表種であるゴクラクチョウカ(極楽鳥花)bird-of-paradise flower/S. reginae Ait. var. reginae は高さ1~2メートルで茎は立たない。日本へは1872年(明治5)以前に導入された。現在は切り花として一般に普及している。葉は根生し、葉身は革質長形で、長い葉柄をもつ。花茎は葉と同長で直立し、先端に硬い多肉質で鳥のくちばし状の仏炎包をつける。全体で1花のようにみえるが、包内に6~8花がある。外花被(かひ)は橙黄(とうこう)色、内花被は青紫色の舌状で、雄しべと雌しべを包む。秋から冬にかけてよく花を開く。葉身のない棒状の変種であるジュンセアvar. juncea H.F.Mooreは切り葉として利用される。実生(みしょう)すると形態の変異が生じやすい。オウギバショウモドキS. alba Skeeisは、ルリゴクラクチョウカS. nicolai Regei et. Koern.と混同されやすい。どちらも茎が数メートルになる大形種であるが、前者は花序が単生し、仏炎包は濃紫色、舌状弁の基部は矛形にならない。後者は花序が対(つい)をなし、包は赤褐色で、舌状弁の基部が矛形になる。日本の栽培種は後者が多い。ストレリチアは多肉根で乾燥に強く、水やりを控えれば5℃で越冬する。実生で殖やすが、株分けもできる。
[高林成年 2019年6月18日]
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