ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セラ」の意味・わかりやすい解説
セラ
Cela, Camilo José
[没]2002.1.17. マドリード
スペインの小説家。戦後小説の旗手。スペイン内乱 (1936~39) の前後にマドリード大学で医学,哲学,法律を学ぶ。 1942年に第1作『パスクアル・ドゥアルテの家族』 La familia de Pascual Duarteを発表,人間らしい感情を失った男が次々に殺人を犯すというこの凄惨な物語は国内外で高い評価を得た。第3作の『ラサリーリョ・デ・トルメスの新たな行状と不運』 Nuevas andanzas y desventuras de Lazarillo de Tormes (44) は,悪者小説の伝統を生かした作品。代表作はマドリードを舞台に第2次世界大戦後まもない混乱と退廃の世相を描いた『蜂の巣』 La colmena (51) と,内乱を扱った『サン・カミロ 1936年』 San Camilo,1936 (69) 。ほかに『コールドウェル夫人,わが子と語る』 Mrs. Caldwell habla con su hijo (53) ,『カティラ』 La Catira (55) など。 57年スペイン王立言語アカデミー会員となる。 84年『二人の死者のためのマズルカ』 Mazurca para dos muertos (83) でスペイン国民文学賞受賞。 89年ノーベル文学賞受賞。
セラ
Serra, Richard
アメリカの美術家。カリフォルニア大学,エール大学で学ぶ。 1966年ローマで最初の個展を開き,生きた豚や鶏を画廊に持込んで話題となった。一種の自然派ともいえる無作為性を強調した仕事が多い。鎖の輪を地中に埋めたり,木を無造作に積上げたりするその作品から,アメリカの 1960年代後半以後の反形式主義を代表する一人とされた。 70年代に入ると,鉄板を組合せた巨大な作品を発表するようになった。
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