1993年に登録されたロシアの世界遺産(文化遺産)で、首都モスクワから北東へ90km、モスクワ州のセルギエフ・ポサドにある修道院。ロシア正教会において最も重要な聖地の一つで、その建物もロシア正教の歴史的な建造物を代表する存在となっている。この修道院は、1340年頃に修道士セルギー・ラドネシスキーが「トロイツェ」(至聖三者)を記念して建立した木造教会がその起源とされている。トロイツェとは、ほかのキリスト教宗派の三位一体にあたるものである。ラドネシスキーは、没後、聖セルギーと呼ばれるようになり、モスクワ大公国のイワン3世(大帝)とイワン4世(雷帝)などが数々の建物を建設した。全長1.4km、高さ15mの修道院の防壁はイワン雷帝が築かせたもので、この防壁の中には食堂付属セルギエフ聖堂、ウスペンスキー聖堂、トロイツキー聖堂、スモレンスカヤ聖堂や五重の鐘楼など、多数の歴史的建造物が残されている。◇英名はArchitectural Ensemble of the Trinity Sergius Lavra in Sergiev Posad