ゾシムス(英語表記)Zosimus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゾシムス」の意味・わかりやすい解説

ゾシムス
Zosimus

[生]?. ギリシア
[没]418.12.26. ローマ
ギリシア出身の第41代教皇在位 417~418)。聖人。教皇インノケンチウス1世(在位 401~417)の後継者。在位期間は短いが波乱に富み,ガリアやアフリカの教会,ペラギウス説などをめぐる論争に関与した。アルル司教をガリアの教皇代理に任命し,ナルボンヌマルセイユなどの司教の反発を招いた。また,ペラギウス(417年1月,インノケンチウス1世により破門)の信仰告白を受け,417年9月にアフリカの司教たちに書簡を送ってペラギウス説を軽率に否定したことを責めた。しかし翌 418年には前説を覆し,ペラギウスと弟子のケレスチウスを破門してその教義を否定した。さらに,シッカ・ベネリアの司教が破門していた聖職者アピアリウスの主張を支持し,アフリカの司教団と対立した。こうした強硬な統治に対し西ローマ帝国の首都ラベンナ宮廷に訴えた聖職者たちも,ゾシムスは破門した。祝日は 12月26日。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android