ゾナラス(英語表記)Zōnaras, Iōannēs

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゾナラス」の意味・わかりやすい解説

ゾナラス
Zōnaras, Iōannēs

12世紀頃のビザンチンの歴史家。宮廷の官房官であったが,のち修道士となり,マルマラ海の小島ハギア・グリュケリアにおいて,天地創造から 1118年までを扱った年代記『歴史梗概』 Epitomē historiōnを著述。これは同種のビザンチン帝国年代記のなかで第一級のものである。 14世紀には古代スラブ語,ルネサンス時代にはラテン語,フランス語,イタリア語にも翻訳された。また難解語の辞書『さまざまな書物からの語彙集成』 Synagōgē lexeōn syllegeisa ek diaphorōn bibliōnを著わしたほか,教会法の権威として,聖使徒規則,教父規則,公会議規則の注釈解説を残した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android