翻訳|Titanic
英国の造船所で20世紀初頭に建造され、当時、世界最大の客船と言われた。1912年4月10日、英南部から米ニューヨークに向けて初航海に出発後、同14日夜にカナダ沖の大西洋で氷山に衝突して沈没し、乗客乗員約2200人のうち約1500人が死亡、後に映画化された。事故をきっかけに船舶の安全に関する国際条約ができ、海上の安全維持を目指す現在の国連専門機関「国際海事機関(IMO)」が50年代に発足した。(共同)
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処女航海で氷山と衝突して沈没した悲劇の豪華客船。イギリスのホワイトスター会社がキュナード汽船会社のモーレタニアに大きさで対抗すべく,1912年姉妹船のオリンピックとともに建造したもので,長さ269m,幅28m,総トン数4万6329トン。同年,処女航海の途につくためサザンプトンを出港,ニューヨークに向かう途中,4月14日夜ニューファンドランド島沖(北緯41°46′,西経50°14′)で氷山に衝突して翌日沈没,1490名(1513名ともいわれている)の犠牲者を出した。この世界最大の海難事故に対し,イギリス政府は商船法に基づき海難審判委員会を発足,この委員会の報告書の内容は,29年に〈海上における人命の安全のための国際条約International Convention for the Safety of Life at Sea〉(〈海上人命安全条約〉〈SOLAS条約〉ともいう)という国際的な法律の中に生かされた。そのおもなものは,北大西洋における流氷の監視と通報,船舶の構造強化,復原性・水密区画・開口部に対する規制,救命および消火設備の充実,無線電信施設の充実,救難通信(SOS)の24時間聴取の義務づけなどで,その後もこの条約は改正されつつ現在に至っている。なお,タイタニックには,鉄道院副参事細野正文が唯一の日本人として乗船していた。
→海難 →客船
執筆者:庄司 邦昭
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歴史的な大海難を起こした豪華客船。イギリスのホワイト・スターライン社の4万総トン級の第2船として1912年に建造された。4万6329総トン、全長269.1メートル、幅28.2メートル、速力22ノット。画期的な二重底と防水区画を採用した「不沈船」として、また大きさと豪華さで、大西洋航路の女王を目ざしていた。12年4月10日、サウサンプトンからニューヨークに向け、2224人の乗客・乗員を乗せて処女航海に出航。5日目の4月14日夜11時40分、ニューファンドランドのグランド・バンクス南方150キロメートル沖合いを22ノット(時速約40.7キロ)で航行中に氷山に接触し、水面下に長さ90メートルにわたって裂け目を生じ、16の防水区画のうち前部の5区画に浸水して15日午前2時20分沈没した。救命艇の収容人員は総計1178人分しかなく、1513人の犠牲者を出し世界最大の海難とされている。またこのとき、国際的に決められた救難信号「SOS」が最初に発信されている。この惨事の結果、翌13年に、海上の人命安全に関する国際会議がロンドンで開かれ、現在の船の安全施設充実の発端となった。
[茂在寅男]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…モーレタニア号の解体後,39年その名を受け継ぐ客船(総トン数3万5655トン)が建造された。 タイタニックTitanicイギリス。1912年建造。…
…近代以降における著名な海難として次のようなものがあげられる。(1)タイタニック号事件 タイタニック号はイギリスのホワイトスター汽船会社所属の豪華客船であった。ニューヨークへ向かう処女航海の途中,1912年4月14日深夜ニューファンドランド沖で氷山に衝突して,約3時間後に沈没,2201名の乗船者のうち1490名が死亡し,世界に衝撃を与えた。…
…その後もこの航路には,ブレーメン号(ドイツ),ノルマンディー号(フランス),クイーン・メアリー号などの優秀船が活躍し,第2次大戦による中断を経て,52年にはアメリカのユナイテッド・ステーツ号がブルーリボンを獲得した。 大西洋航路の歴史の中で特筆すべき船に,タイタニック号(イギリス)がある。この船は姉妹船オリンピック号とともに初めて4万トンを超えた巨大船であり,もはや海難などは起こり得ないと考えられていた。…
…1909年モレタニア号Mauretania(3万1938総トン)は大西洋を4日半で横断した。12年の処女航海で1513名の犠牲者を出した悲劇のタイタニック号(4万6328総トン),1938年大西洋横断を3日と21時間に短縮したクイーン・メアリー号(8万1235総トン),〈人間の造った最大の機械〉といわれたクイーン・エリザベス号(8万3673総トン)と大型・高速の客船が相次いで建造され,20世紀前半は豪華客船の黄金時代となった。
[現代]
第2次大戦後,モータリゼーションの波は世界各地に及び,交通機関としての自動車の重要性はさらにました。…
…代わって興ったのが近代的リネン工業で,ベルファストは世界有数のリネン工業を誇るようになり,今日にいたる。このほか,タイタニック号その他の建造で知られるハーランド・ウルフ造船所(1975年に国有化)があり,ロープ工業,タバコ工業,航空機産業なども盛んである。ベルファスト・クイーンズ大学(1845創立)の図書館には,アダム・スミスの蔵書の一部が収められている。…
※「タイタニック号」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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