タトリ山地(読み)タトリさんち(英語表記)Tatry

改訂新版 世界大百科事典 「タトリ山地」の意味・わかりやすい解説

タトリ山地 (タトリさんち)
Tatry

ポーランド南部からスロバキア地方北部にかけての山脈群で,カルパチ山脈の主要部をなす。スロバキアではビソケー・タトリ山地ともよばれる。最高峰ゲルラホフカ山(2663m)をはじめ2000m以上の高山が数多い。スロバキアとポーランドの国境をなし,ポーランド側のタトリ国立公園(1954制定)は2万2000haの面積に及び,カール,氷河性湖沼モレーンなど第四紀の氷河地形も多い。北斜面には,モルスキエ・オコ湖,ビエルキ・スタウ湖など多くの湖沼があり,年間を通して観光保養地域として旅行者が訪れる。山麓にはザコパネ,ブコビナ・タトジャンスカ(ポーランド側),シュトルプスケー・プレソŠtrbské Pleso,スタリー・スモコベツStarý Smokovec,タトランスカー・ロムニツァTatranská Lomnica(スロバキア側)などの観光保養都市がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タトリ山地」の意味・わかりやすい解説

タトリ山地
タトリさんち
Tatry

ポーランドスロバキアとの国境地帯に東西に連なる山地。カルパート山脈の最高峰群をなす。最高点はスロバキア領のゲルラホフスキーシュチート (2655m) ,これに次ぐ高峰は国境のポーランド側にあるリシ山 (2499m,ポーランドの最高峰) 。これら2峰を中心とする国境沿いの山地を高タトリ山地 (チェコ語でビソケタトリ Vysoké Tatry,ポーランド語ではタトリウィソキェ Tatry Wysokie) と呼び,その南方,バー川の南側に東西に連なる山地を低タトリ (チェコ語でニスケタトリ Nízké Tatry) と呼ぶ。低タトリ山地の最高峰はジュンビエル (2043m) 。高タトリ山地の周辺は,ポーランド側,スロバキア側それぞれに国立公園となっており,観光・保養地,ウィンタースポーツの中心地が多く,ポーランド側のザコパネは特に有名。

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