ダーダネルス海峡(読み)ダーダネルスカイキョウ(英語表記)Dardanelles Straits

デジタル大辞泉 「ダーダネルス海峡」の意味・読み・例文・類語

ダーダネルス‐かいきょう〔‐カイケフ〕【ダーダネルス海峡】

Dardanellesトルコ北西部、マルマラ海エーゲ海との間にある海峡。古くから黒海地中海とを結ぶ交通要衝

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ダーダネルス海峡」の意味・読み・例文・類語

ダーダネルス‐かいきょう‥カイケフ【ダーダネルス海峡】

  1. ( ダーダネルスはDardanelles ) トルコ北西部、エーゲ海とマルマラ海との間にある海峡。ボスポラス海峡とともに黒海と地中海とを連絡する軍事・通商上の要衝。長さ六一キロメートル。チャナカレ海峡。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ダーダネルス海峡」の意味・わかりやすい解説

ダーダネルス海峡 (ダーダネルスかいきょう)
Dardanelles Straits

トルコ北西部,ヨーロッパとアジアを分断し,エーゲ海とマルマラ海を結ぶ海峡。呼称は,沿岸にあった古代ギリシアの植民都市ダルダノスに由来する。トルコ語名はチャナッカレÇanakkale海峡。全長約61km,幅1.2~6.4km,平均水深55m(最深部は92m)。マルマラ海の寒流とエーゲ海の暖流が海峡で激しく交錯して豊かな漁場を形成する。アジア側の町チャナッカレは漁業と缶詰工業が盛んである。

 古代にはヘレスポントスHellēspontosとよばれ,14世紀までビザンティン帝国の重要な水路であったが,15世紀以降オスマン帝国が航行権を独占してきた。18世紀中葉からオスマン帝国が衰退期に入ると,ロシアは海峡支配を目ざした南下政策を展開して海峡問題がおこった。第1次世界大戦ではイギリス・フランス連合軍が海峡占領を画策したが失敗に終わった。大戦後,セーブル条約(1920)で国際管理下に置かれたが,ローザンヌ条約(1923)で非武装を条件にトルコの支配管理権が認められ,現在にいたる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「ダーダネルス海峡」の意味・わかりやすい解説

ダーダネルス海峡【ダーダネルスかいきょう】

トルコ名はチャナッカレ海峡。トルコ西端,エーゲ海マルマラ海を結ぶ海峡で,北はゲリボル半島,南は小アジアである。幅1.2〜6.5km,長さ約70km。魚類が豊富。古代ギリシア時代にはヘレスポントスと呼ばれ,東側にトロイア繁栄レアンドロスヘロに会うため毎夜泳いで渡ったという伝説がある。15世紀以後トルコが支配。黒海,地中海通路の要衝。→海峡条約
→関連項目アナトリアキュチュク・カイナルジャ条約ゲリボル半島黒海

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「ダーダネルス海峡」の解説

ダーダネルス海峡
ダーダネルスかいきょう
Dardanelles

エーゲ海とマルマラ海を結ぶ長さ約71㎞の海峡
ボスポラス海峡とともに,アジアとヨーロッパを結ぶ要地。古来より係争の地で,近代においては海峡問題といわれ,東方問題,バルカン問題と結びついたヨーロッパ外交史上の難問題の1つとなった。古くはヘレスポントスと呼ばれ,ギリシア・ローマ時代にはおのおのその勢力が及び,ビザンツ帝国はここに要塞を築いた。14世紀以後,オスマン帝国領となったが,同国の衰退とともに18世紀末からヨーロッパ列強にねらわれ,1841年イギリス・フランス・ロシア・プロイセン・オーストリア5国はオスマン帝国に要求して海峡協定を定め,平時の軍艦通過が禁止された。第一次世界大戦後のローザンヌ条約で,非武装を条件にトルコの支配管理権が認められ,さらに1936年の協定で条件付きながら再武装が認められ,現在に至っている。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「ダーダネルス海峡」の解説

ダーダネルス海峡(ダーダネルスかいきょう)

ダーダネルス,ボスフォラス両海峡

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のダーダネルス海峡の言及

【海峡問題】より

…一般には黒海と地中海を結ぶダーダネルス,ボスポラス両海峡の軍艦の通航権をめぐる国際紛争を指す。今日では重要な海上輸送路にあたるマラッカ,ホルムズ両海峡,さらに,海軍力の通過する他の海峡についても関心がはらわれている。海峡は,歴史的に,異なる文明や地域間の十字路として象徴的な意味が与えられてきた。とくに,頻繁な海上交通路にあたる海峡付近には交易の拠点が,戦略上の重要性が意識される海峡には軍事基地が,設けられてきた。…

※「ダーダネルス海峡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ゲリラ豪雨

突発的に発生し、局地的に限られた地域に降る激しい豪雨のこと。長くても1時間程度しか続かず、豪雨の降る範囲は広くても10キロメートル四方くらいと狭い局地的大雨。このため、前線や低気圧、台風などに伴う集中...

ゲリラ豪雨の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android