ツノモ(読み)つのも

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツノモ」の意味・わかりやすい解説

ツノモ
つのも / 角藻
[学] Ceratium

鞭毛(うずべんもう)藻(綱)に含まれる単細胞体の1属の総称珪藻(けいそう)に似て、細胞は上下の二殻に包まれているが、殻(細胞壁)の主成分はセルロースである。上殻にはつねに1本、下殻には一~三本の長い角(つの)があることからツノモとよばれる。クロロフィルはaとcのほかにカロチノイド系の色素をもつため、葉緑体の色は橙(とう)色となる。核は巨大で、静止期でも染色体が見える。ほとんどの種類は海産であるが、マミズツノモC. hirundinella O. F. Muell.は淡水産で、広く分布する。

小林 弘]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツノモ」の意味・わかりやすい解説

ツノモ(角藻)
ツノモ
Ceratium

鞭毛生物,渦鞭毛藻目ムシモ科。ツノオビムシともいう。淡水産,汽水産,海産のものが知られている。浮遊生活をする。各細胞は十数枚の殻片に囲まれ,各片には網目模様がみられる。頂に1本,下方に3本の角を突出する。しばしば下方の3本が湾曲して上方に向うものもある。また殻片のつくる溝には鞭毛があり,その運動で遊泳する。

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