テアトル・オプチック(読み)てあとるおぷちっく

世界大百科事典(旧版)内のテアトル・オプチックの言及

【アニメーション映画】より

…祭文語りや浄瑠璃語りがついて上演された。一方,光源を使わない,つまり映写をしないアニメーションの原初の形として,19世紀イギリスで発明された〈ソーマトロープ〉をはじめ,網膜の残像現象を利用した一連の科学玩具,〈ストロボスコープ〉〈フェナキスティスコープ〉〈ゾーエトロープ〉などがあり,さらにフランス人レノーÉmile Reynaudがゾーエトロープを改良した〈プラキシノスコープ〉に映写装置をつけ加え,92年,パリの蠟人形館で〈テアトル・オプチック(光学劇場)〉,または〈光の無言劇〉と称して,長いセルロイド・ベルトに600コマ以上の絵をカラーでかいたものをスクリーンに映写する大仕掛けな動く幻灯を興行した。フィルムに撮影してそれを映写する〈映画〉が発明される以前に,アニメーションの起源があったといえる。…

【映画】より

…アメリカでエジソンが35ミリフィルムを開発したのも89年であった。92年にパリのグレバン蠟美術館で,フランスの自然科学者エミール・レノー(1877年にゾーエトロープを改良したプラキシノスコープを開発)が〈テアトル・オプチック(光学劇場)〉と銘打って,彩色された〈動く絵〉を上映し,世界最初の〈アニメーション(アニメーション映画)〉といえる興行を行い,このときすでにピアノによる伴奏音楽が付されていた。この興行は1900年まで8年間にわたって続けられ,1万2000回の上映回数に及び50万人もの観客を動員したと記録されている。…

【映画音楽】より


[起源]
 映画のために作曲,または選曲,編曲されてフィルムのサウンド・トラック(録音帯)に録音された音楽およびそれをレコード化したもの,演奏用に編曲したものを総称して映画音楽といっているが,サイレント映画にも音楽がなかったわけではない。1892年から10年間も続いたエミール・レノーの〈テアトル・オプチック〉と呼ばれたアニメーション映画の世界最初の長期連続興行のときからピアノ伴奏がついており,以来,〈伴奏音楽〉として,あくまでも映画のエモーションをかきたてるための補助的な役割にすぎなかったとはいえ,生の伴奏音楽をつけて上映するのが映画興行のしきたりとなった。 サイレント映画の伴奏音楽は以下の四つの形式と段階を経て発展したが,この過程において,現在に至る映画音楽のすべての基礎が築かれていたことがわかる。…

※「テアトル・オプチック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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