テミストクレス決議碑文(読み)テミストクレスけつぎひぶん

改訂新版 世界大百科事典 「テミストクレス決議碑文」の意味・わかりやすい解説

テミストクレス決議碑文 (テミストクレスけつぎひぶん)

1959年ギリシアのトロイゼンで発見された大理石板に刻まれた碑文で,現在アテネの碑文博物館所蔵。60年アメリカのジェームソンM.H.Jamesonによって本文校訂と注釈が公にされた。この碑文が刻まれたのは前4世紀の反マケドニア運動がさかんになった時と推定される。前480年サラミス海戦の前にテミストクレス発議で評議会と民会で決議された,対ペルシア軍作戦計画を内容とするもので,もとのものに近いと推定される。その内容は,アテナイ在住の市民も外人も婦女子をトロイゼンに移すこと,兵役年齢のものは兵船200隻に乗りこんでギリシア人の自由のためにバルバロイと戦うこと,全兵力を船長,20人の乗組員,4人の射手などから成る200の兵力相等しい隊に分けて兵船を割りあて,100隻はエウボイアのアルテミシオンに敵を迎え,100隻はサラミスおよびアッティカ投錨して国土を守ること,財務官と神職者はアクロポリスにとどまって神々の財産を守ることなどであった。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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