テージョ川(英語表記)Rio Tejo

改訂新版 世界大百科事典 「テージョ川」の意味・わかりやすい解説

テージョ[川]
Rio Tejo

スペイン中央部東,クエンカ山脈に源を発し,ポルトガルのリスボン大西洋に流入するイベリア半島最長(1120km)の川(うち910kmはスペインを流れる)。流域面積約8万km2。スペインではタホTajo川とよばれている。北西流した後,南西に流路を変え,トレド付近から新カスティリャ地方をほぼ西流し,スペインのアルカンタラとポルトガルのモンタルバンの間で約60kmにわたり国境を形成する。ポルトガルでは南西方向にエストレマドゥラ地方を横断,下流のサンタレン付近からリスボンまで入江がよく発達する。河口から約130kmのアブランテスまでは航行可能である。地中海から約160kmの内陸部,乾燥地域を流れるため流量の変動が大きく,年間流量較差は渇水期の夏と春との間で10倍に達する。流域は,牧畜を主体とした農業地域を形成。1970年代までに水力発電と灌漑のためのダムが多数建設された。主要な支流には,ハラマ,アルベルチェ,アラゴンの諸河川がある(いずれもスペイン領内)。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報