デビトロセラミックス(英語表記)devitroceramics; glass ceramics; devitrified ceramics

デジタル大辞泉 「デビトロセラミックス」の意味・読み・例文・類語

デビトロセラミックス(devitroceramics)

ガラス加熱して、微結晶集合体にしたもの。耐熱・耐磨耗性にすぐれ、急熱・急冷に耐えるので、調理用品や人工建材、特殊光学機器に使用

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百科事典マイペディア 「デビトロセラミックス」の意味・わかりやすい解説

デビトロセラミックス

成形したガラスを加熱処理して失透現象により微結晶を析出させて作った一種特殊陶磁器。米国のコーニング・ガラス社がパイロセラムの商品名で製造しているものが代表的。ガラス原料にはあらかじめ結晶核生成のため酸化チタン酸化ジルコニウム等を微量添加。組織は結晶部70%,ガラス部30%くらいで,熱膨張係数が小さく,耐熱性(1200〜1300℃),機械的強度,耐摩耗性,化学的耐久性にすぐれる。家庭調理用具,理化学用器具,電気絶縁材料,ミサイル弾頭部等に使用。
→関連項目ニューセラミックスパイロセラム

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デビトロセラミックス」の意味・わかりやすい解説

デビトロセラミックス
devitroceramics; glass ceramics; devitrified ceramics

デビトリファイドセラミックスガラスセラミックス結晶化ガラスなどともいう。ガラスの性質を失って結晶した窯業製品。ガラスに少量の酸化チタンを加えておくか,また中性子線,γ線,X線紫外線などを当てると,多くの微粒子ができる。これを熱処理すると,微粒子が核となって,ガラスが結晶体となる。アメリカのコーニング・グラス・ワークス社のパイロセラムやフォトセラムなどがこれにあたり,膨張率が小さく,耐熱性が高く,機械的強さも大きい。鍋,湯沸しなどの家庭用品のほか,高級建築用壁材,電気絶縁性高強度材料として集積回路基板や,ミサイルやロケットの表面保護のためのコーティングとしても利用される。

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世界大百科事典 第2版 「デビトロセラミックス」の意味・わかりやすい解説

デビトロセラミックス【devitroceramics】

失透devitrification現象を利用してガラスを結晶化することによって作られたセラミック材料。結晶化ガラス,ガラスセラミックスglass ceramicsともいう。成形が容易であるというガラスの利点を生かしながら,結晶化させることによって,耐熱性,機械的強度,電気的物性などの機能を向上させることができる。どのような結晶を析出させるかによって,すなわちガラスの主たる組成によって,いくつかのグループに分類することができる。

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世界大百科事典内のデビトロセラミックスの言及

【ガラス】より

…したがって母ガラス組成としては,ハロゲン化銀の溶解度や,析出のしやすさなどが問題となる。結晶化ガラスあるいはデビトロセラミックスは,ガラスの加工性のよさを生かしたまま,耐熱性などの物性の改善を目標として開発されたものである。熱処理によって,目的の結晶が目的の大きさで析出するような組成が選択され,かつ核生成剤が加えられている。…

※「デビトロセラミックス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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