トスカニーニ

デジタル大辞泉 「トスカニーニ」の意味・読み・例文・類語

トスカニーニ(Arturo Toscanini)

[1867~1957]イタリア指揮者ミラノスカラ座音楽監督、ニューヨークフィル・NBC交響楽団などの指揮者を歴任

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「トスカニーニ」の意味・読み・例文・類語

トスカニーニ

  1. ( Arturo Toscanini アルトゥーロ━ ) イタリアの指揮者。チェロ奏者から指揮者に転じ、イタリア各地でオペラを指揮。一九二六年以後ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団、NBC交響楽団の指揮をとり、楽譜に厳正忠実で、明快な演奏様式をもって世界第一人者となった。(一八六七‐一九五七

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「トスカニーニ」の意味・わかりやすい解説

トスカニーニ

イタリアの指揮者。20世紀前半を代表する名演奏家の一人。生地パルマの音楽院で作曲とチェロを学ぶ。1886年イタリアのロッシ歌劇団のブラジル公演にチェロ奏者兼副合唱指揮者として加わり,突然の指揮者降板で《アイーダ》を暗譜で振って大成功を収める。以後イタリア各地でオペラ指揮者として活躍し,レオンカバロの《パリアッチ道化師)》,プッチーニの《ラ・ボエーム》などを初演。1898年にはミラノのスカラ座の音楽監督に就任し,1908年−1915年メトロポリタン歌劇場の首席指揮者,1927年−1936年ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者を歴任。1937年には彼のためにNBC交響楽団が創設され,1954年の引退まで常任指揮者として活動。並外れた暗譜力と耳の持ち主で,奏者の一音のミスすらたちどころに指摘した指揮ぶりは有名。主情性を排し,ファシズムに一貫して抵抗したことでも知られる。きわめて厳格,明晰(めいせき)でありながら歌心にもあふれたその演奏様式は,その後の演奏家に大きな影響を与えている。ピアノ奏者ホロビッツは娘ワンダの夫。→M.アンダーソンカルーゾーバーバーメノッティ
→関連項目ジーリテバルディヒュッシュプリムローズレスピーギ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

改訂新版 世界大百科事典 「トスカニーニ」の意味・わかりやすい解説

トスカニーニ
Arturo Toscanini
生没年:1867-1957

イタリアの指揮者。1876年からパルマ音楽院でチェロと作曲を学ぶ。ミラノやトリノの歌劇場の客演指揮者として活動を開始し,レオンカバロの《パリアッチ》やプッチーニの《ラ・ボエーム》などを初演した。1898-1903年と06-08年にスカラ座の首席指揮者を務めた。08年ニューヨークのメトロポリタン歌劇場の首席指揮者となり,カルーゾーらとともにイタリア・オペラ全盛時代を築いた。10年代からコンサート指揮者としても華やかな活動を開始し,26年から36年まではニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団,37年からはNBC交響楽団とともに,ベルリオーズ,ドビュッシー,ベートーベンの作品を好んで取り上げた。38年には反ファシズムを表明した。トスカニーニの演奏のスタイルは,原典を尊重する客観的・アポロン的なもので,しばしばフルトウェングラーのロマン的な演奏と好対照をなす演奏とされ,20世紀の演奏界に大きな影響を与えた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

ゲリラ豪雨

突発的に発生し、局地的に限られた地域に降る激しい豪雨のこと。長くても1時間程度しか続かず、豪雨の降る範囲は広くても10キロメートル四方くらいと狭い局地的大雨。このため、前線や低気圧、台風などに伴う集中...

ゲリラ豪雨の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android