トップ
(イ)
競走・競泳で、一番前を走っている人。先頭。
(ロ) (多くは「トップを切る」の形で用いて) 何人もの人がある動作をする場合に、
最初にそれをやった人。
※浅草紅団(1929‐30)〈
川端康成〉五二「花屋敷の電光ニュウスは、一九三〇年の夏の浅草の、『断然トップを切った』のだ」
※
縮図(1941)〈徳田秋声〉時の流れ「やがて松の家の
芸者が立てつづけに土地での玉数のトップを切り」
※倫敦消息(1901)〈
夏目漱石〉一「
此度は上へ上がらうと云ふから階子を登ってトップへ乗った」
※愛弟通信(1894‐95)〈
国木田独歩〉威海衛大攻撃北洋艦隊全滅!「一本の檣
(ほばしら)はトップ以上を失ひ」
(ハ)
政界・
財界・企業など、あるまとまりの中での最高の地位にある人。「トップ会談」
※新西洋事情(1975)〈
深田祐介〉東の秘書と西の秘書と「その組織はトップが一定期間いなくても動いていくが」
③ 新聞で、
紙面の最上段の右にあたる所。また、そこに掲載する記事や、雑誌の
巻頭にのる、売り物記事。
※家族会議(1935)〈
横光利一〉「社会面のトップに、大きく文七の殺害事件が出てゐて」
④ 自動車や
変速機つき自転車で、最高速度を出す時に用いる
ギヤ。
⑥ 洋服のウエストから上、また、上下分かれている服の上着をいう。⇔
ボトム。
⑦ 紡績工程で、梳毛(そもう)して太い篠状にした繊維束をいう。
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デジタル大辞泉
「トップ」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
トップ
羊毛を洗毛ののち,くしけずって不純物や短繊維を除去し,毛すじをそろえたスライバー(撚りをかけていない繊維束)。梳毛(そもう)紡績における中間製品。この状態で染色することをトップ染といい,各種の染色トップを配合して所望の色糸や霜降り糸を作ることができるので盛んに行われる。
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トップ
ライオンが製造、販売する洗濯用洗剤の商品名、ブランド名。粉末、液体など形状別、また部屋干し用、シミ取り用など用途にあわせた商品を展開。
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世界大百科事典内のトップの言及
【直紡】より
…直紡においては,繊維をそろえて平行に並べて伸ばすカーディング操作が省略される。たとえば,トウからトップ(紡績原料)を作るには直紡機の一種であるパシフィックコンバーターが用いられる。この機械によって次のような操作でトップが作られる。…
【紡績】より
…(b)カーディング工程 カーディングしやすいように油を散布(給油)した後,繊維が長いのでローラーカードで丹念にくしけずり,綿よりかなり太いスライバーを作る。(c)梳毛工程 各種ギルでダブリングとドラフトを繰り返し,かつコーマーにかけて繊維の開繊,平行化,短繊維や雑物の除去を行い,トップ(スライバーの一種)を作る(図4)。カード以後,これまでの工程をトップ工程ともいう。…
※「トップ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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