トラック(読み)とらっく(英語表記)truck

翻訳|truck

デジタル大辞泉 「トラック」の意味・読み・例文・類語

トラック(track)

[名](スル)
陸上競技場で、競走用の走路。「トラックを一周する」
トラック競技」の略。

磁気テープや映画フィルムなどの録音する部分。また、レコード盤の溝。
コンピューター磁気ディスクなど、円盤状の補助記憶装置を管理する単位。同心円状に分割した区画のこと。→セクター3クラスター4
3に記録された音楽など。「ボーナストラック
足跡を追うこと。観測すること。「クリックしたユーザーをトラックする」
[類語](1競技場運動場野球場グラウンドコートコロシアムスタジアムフィールドサッカー場ピッチゴルフ場スキー場ゲレンデ競馬場馬場パドックスケートリンクサーキットホームグラウンド

トラック(truck)

貨物運搬用の大型荷台をもつ自動車。貨物自動車。

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精選版 日本国語大辞典 「トラック」の意味・読み・例文・類語

トラック

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] track )
  2. みち。軌道。〔外来語辞典(1914)〕
  3. 陸上競技場の競走路。
    1. [初出の実例]「斯様にトラックは一周四百米を理想とするのであるが」(出典:陸上競技法(1923)〈野口源三郎〉三)
  4. トラックきょうぎ(━競技)」の略。
  5. 磁器テープや映画フィルムなどの録音する部分。また、レコード盤の溝。
  6. コンピュータの記憶装置の、データを記録する領域。磁器ディスクなどでは同心円状に配置される。

トラック

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] truck )
  2. 後部に大きな荷台を備え、貨物の運搬に用いられる自動車。広義にはライトバンピックアップトレーラー、ダンプカーなどを含む。貨物自動車。
    1. [初出の実例]「トラック自動車の運転手」(出典:蜃気楼(1927)〈芥川龍之介〉二)
  3. トロッコ〔舶来語便覧(1912)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「トラック」の意味・わかりやすい解説

トラック
とらっく
truck

さまざまな物資を輸送するための自動車の総称。日本語では貨物自動車。トラックはアメリカ英語で、英語ではローリーlorryという。ドイツ語ではラストアウトLastautoまたはラストクラフトワーゲンLastkraftwagenだが、長いので後者を短縮してLKWと記す。ラテン語圏では一般にカミオンcamionとよぶ。

[高島鎮雄]

歴史

古くは馬車から古代クメールの牛車にまでさかのぼる。1769年にフランスで軍事技術者のキュニョーがつくった史上初の蒸気自動車も砲車牽引(けんいん)用で、いわばトラックであった。その後スチームトラックはヨーロッパで1920年代まで長く使われた。内燃機関が実用化されると、ドイツではダイムラーが1896年に初のガソリンエンジン付きのトラックを完成、1923年にはベンツがディーゼルトラックの市販化に成功した(ダイムラーとベンツは1926年に合併し、ダイムラー・ベンツとなり、さらに98年にアメリカのクライスラーと合併し、ダイムラー・クライスラーとなる)。現在の全世界のトラックおよびバスの保有台数は約1億8750万台(1997)で、なお年々約1500万台が生産されている。

[高島鎮雄]

法制

日本の法制度のなかにはとくにトラックを定義している部分はないが、もちろんさまざまな規制や制限は少なくない。それらを各法律や政令から拾ってみると、まず大きさについては全長12メートル以内、全幅2.5メートル以内、全高3.8メートル以内で、積載時の幅と高さはこれを超えてはならず、長さのみはそのトラックの全長の10分の1まではみだしてよい(それを超えるときは0.3平方メートル以上の赤色の布―夜間は赤色灯または赤色反射鏡―をつけること)。車両総重量は20トン以内、1軸10トン以内、1輪5トン以内とする。バン型のセミトレーラーでは全長16.5メートル以内(ただしはみだし積載は不可)、車両総重量は高速自動車国道を通行するものでは34トン以内、その他の道路を通行するものでは27トン以内とされている。以上の制限を超えるものは、通行しようとする道路の管理者に申請し、その指定する日時に、指定するルートを走らなければならない。

 なお小型自動車は全長4.7メートル以内、全幅1.7メートル以内、全高2メートル以内、最大積載量2000キログラム以内、エンジン総排気量550cc超2000cc未満、軽自動車は全長3.2メートル以内、全幅1.4メートル以内、全高2メートル以内、最大積載量350キログラム以内、エンジン総排気量550cc以内となっている。

[高島鎮雄]

分類

大きさで分ければ、全長2.5メートル、最大積載量35キログラムのイタリア製ベスパ三輪スクーターから、全長20メートル、317.5トン積みのアメリカ製テレックス・ダンプトラックまで、ほとんど無段階に分布している。三輪スクーターは都市内での連絡や小型商品の配達用などであり、巨大型重量級ダンプトラックは大規模な土木工事で一度に大量の岩石や土砂などを運ぶためである。

 用途別には、今日では高度に専門化された多様のトラックが使用されている。第二次世界大戦の終了後しばらくの間、あらゆる種類の荷物の運搬に使用されていた三方開きあおり付きの標準型トラックはしだいに専用トラックに席を譲ってきている。輸送用トラックの主力は悪天候にも荷傷みの少ないパネルバンが占めており、小口の輸送や集配には中型のライトバン(窓付きバン)も多用されている。このほか冷凍車、保冷車、活魚運搬車、タンクローリー(液体運搬車)、ボトル・キャリアー、コンクリートミキサー(生コンクリート、バラスト、砂などを攪拌(かくはん)しながら運ぶ)、ダンプトラック、トレーラートラック、ドラム缶輸送車、コンテナ輸送車、バルクトラック(粉体や果粒状のものを運ぶ)、馬匹運搬車、家畜運搬車、カーキャリアー、美術品輸送車、現金輸送車、郵便車などがあり、それぞれの輸送対象に適した形態構造をもっている。最近ではセルフローダーと称し、自身積み下ろしの装置を備えたものも少なくない。ごみ収集車やバキュームカーもセルフローダー付きのトラックの一種とすることができる。

[高島鎮雄]

構造

トラックの構造は概してオーソドックスで乗用車に比べれば単純だが、重荷重に耐えるように十分な強度を与えられる。悪路用としてボンネット型のものも少数あるが、大半は同じ全長なら長い荷台をとれるキャブオーバーエンジン型式を採用している。大型のキャブオーバーでは、キャブ(運転室)を前傾させてエンジンの点検整備を容易にした、いわゆるチルトキャブが一般的である。

 シャシーは独立したはしご形フレームにリジッドアクスルをもち(小型車の前輪には独立懸架も少なくない)、半楕円(だえん)板ばねが一般的だが、ヨーロッパやアメリカではバスなみのエアサスペンションも珍しくない。車輪配置は二軸四輪が一般的だが、中型以上では後輪をダブルタイヤとするのが普通である。大型には後二輪や前二軸のものも少なくなく、駆動は後軸のみの4×2を基本に、6×2、6×4、8×4、総輪駆動の4×4、6×6などがある。最近では後輪ないしは第一軸以外の車輪径を小さくし、低床式として荷物室容積を増やし、かつ積み下ろしを容易にしたものも少なくない。

 エンジンは小型車の一部と軽自動車を除いてはディーゼルが圧倒的で、大型では比出力の高い直接噴射式が普及している。ターボチャージャーインタークーラーを備えて出力増強を図ったものも少なくない。また都市内で配達などに使われる小型車にはLPG(液化石油ガス)を用いるものも珍しくない。大型車では機械式変速機をコンピュータにより指先で操作できるようにしたものが増えつつあり、パワーステアリングやエアコンの普及とともに、省力化や居住性の向上が図られている。

[高島鎮雄]

トラック輸送の技術的特性

トラックは、ほかの陸海空の輸送手段(交通機関――パイプラインを含む)とともに、一国の貨物輸送体系を構成する。トラック輸送の技術的特性の基本は、陸上輸送手段でありながら鉄道と異なり軌道(レール)を必要としないことである。このためトラックは戸口から戸口へ(door to door)の輸送が可能となり、鉄道のように線的な輸送でなく、面的な輸送サービスを供給することができる。トラック輸送サービスはまた、鉄道に比べて到着日時が明確でかつ早いことが大きな特色となっており、この点が最近は産業界でいっそう重視されるようになってきた。トラックの出現は、当初は前近代的な荷牛馬車にとってかわる技術革新であったが、それは引き続き鉄道に対する技術革新ともなっていった。

 トラックは前記のような輸送サービスの特性を基礎に、車両価格の低下、道路整備の進展に伴い、それまでの鉄道による陸運貨物輸送の独占を掘り崩していった。そして日本を含むほとんどの先進諸国(アメリカを除く)において、いまでは鉄道をしのぐ主要な陸運貨物輸送手段としての地位を確立している。

[村尾 質]

日本のトラック輸送

日本でトラック輸送が営業として成立するようになるのは、1923年(大正12)の関東大震災が契機になったといわれる。しかし、第二次世界大戦前には日本の技術および国民所得水準の低さから自動車工業が確立しなかったことや、鉄道省による自動車交通(貨客とも)抑圧政策、また戦時の石油燃料不足その他の理由によって、日本のトラック輸送の発展は戦後に持ち越された(欧米諸国では戦前に開始)。そして1950年(昭和25)から55年ごろまでの間に荷牛馬車をほぼ完全に駆逐したのち、日本経済の高成長に伴う国内貨物量の急激な増大のなかで、トラックは陸運貨物の増加量の大部分を分担する形で、その輸送量を増大させていった。そして1966年度には輸送量(トンキロ)に占める比重を(鉄道と)逆転させ、72年度ごろには短距離貨物だけでなく中距離および長距離(500キロメートル以上)でも、またほとんどの陸運貨物品目で鉄道を超える比重をもつようになった。こうして1972年度段階には、日本の貨物輸送自動車化(モータリゼーション)はほぼ完成したといえる。そして1973年のオイル・ショック後の不況と低成長経済のもとで、トラック輸送も減少と停滞を続けたが、78年度には回復し、84年度には72年度水準を31%超えるまでに増大し、以後増加を続けている。

[村尾 質]

トラック運送業

トラック運送業は従来参入規制により競争が制限され、国の事業免許を必要としていたが、貨物自動車運送事業法(平成1年法律83号)によって、免許制から許可制になったほか(ただし後述の貨物軽自動車運送事業は届出制)、手続き等の簡素化がはかられた。事業の種類は、(1)一般貨物自動車運送事業、(2)特定貨物自動車運送事業、(3)貨物軽自動車運送事業の3種に区分される。(1)は他人の需要に応じ、有償で自動車(三輪以上の軽自動車および二輪の自動車を除く)を使用して貨物を運送する事業である。(1)のうち、従来は一般路線貨物自動車運送事業とよばれたもので、定路線を定時に運行し、積合せ貨物(一車に複数荷主の小口個品貨物を積み合わせて運ぶ)を運送するものを特別積合せ貨物運送という。新法施行により、一般路線貨物自動車運送事業と、従来は貸切り運送しかできなかった一般区域貨物自動車運送事業の事業区分が一体化され、旧区域の事業者も特別積合せ貨物運送ができることになった。(2)は特定の者の需要に応じ、有償で自動車(三輪以上の軽自動車および二輪の自動車を除く)を使用して貨物を運送する事業である。(3)は他人の需要に応じ、有償で自動車(三輪以上の軽自動車および二輪の自動車に限る)を使用して貨物を運送する事業である。

 トラック輸送には、運送業者による営業用輸送のほか、一般の工場・商店などの保有する自家用トラックによる輸送の比重も大きい。自家用輸送の比重は近年徐々に低下しつつあるとはいえ、1998年度(平成10)のトラック輸送量(トンキロ)に占める比重は約21.6%である。

 トラック運賃は自由運賃でなく、事業者があらかじめ国土交通大臣に届け出る、届出運賃制がとられている。届出外の運賃は高くても安くても違法となり、また、不当な届出運賃に対しては国土交通大臣が変更を命じることができる。

 トラック運送業にとって道路は公共的に提供されている(道路費の一部を軽油引取税、揮発油税などの特別税の形で負担)から、トラック数台さえもてば営業できるので、小資本でも開業できる。このため事業者数は多く、1999年現在で約5万2000業者を数える(その大部分は前記(1)のうち特別積合せ貨物運送を行わない業者)。その99%以上が中小企業(中小企業基本法の規定による)もしくは零細業者である。ただし、前記(1)のうち、特別積合せ貨物運送業は多くの営業所やターミナル施設などを必要とするため、必要資金量が比較的大きく、中小企業の比重は相対的に小さい。また旧運輸省が路線トラック業への免許抑制・合併奨励政策を行っていたことによって、業者数は1958年度(541業者)をピークとして漸減を続け、1999年現在には276業者となっている。

[村尾 質]

問題点

トラック運送業界にはこのように多数の中小・零細企業が存在するから、市場は激しい売り込み競争となっている。このため運賃値引きのほか、制限重量を超える過積載が後を絶たない。また、急成長を続け、国民生活に密着したものとなってきているトラック宅配便について、運賃、引渡し期日などをめぐって利用者との間にトラブルも生じており、1985年(昭和60)11月、運輸省認可による「標準宅配便約款」が施行された。なお、トラック運送業労働者(とくに運転者)は長時間労働を強いられる場合が多く、実労働時間当り賃金は全産業平均より2割ほど低くなっている。

 日本におけるトラック輸送の発展は、物流を高度化し、一面では自動車工業の確立・発展、ひいては高経済成長の実現にも寄与してきた。しかし他面では、道路公害の最大の原因者となりつつある。トラックの排ガス、とくに窒素酸化物(NOx)については、大気汚染の原因物質であることから、その削減のために1992年(平成4)に自動車排出窒素酸化物総量削減法(正式名は、自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法。平成4年法律70号)が施行され、NOxの総量規制の方針などが打ち出されているところである。また道路騒音公害の原因はほとんどトラックと二輪車によるものである。そのほか交通事故、エネルギー問題をも含めて、トラックはいまや現代社会の重要な問題点の一つとなりつつある。

[村尾 質]

『村尾質著『貨物輸送の自動車化』(1982・白桃書房)』『村尾質著『道路貨物輸送』(1989・晃洋書房)』『中西健一・廣岡治哉編著『三版 日本の交通問題』(1980・ミネルヴァ書房)』『中西健一編『現代日本の交通産業』(1984・晃洋書房)』

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改訂新版 世界大百科事典 「トラック」の意味・わかりやすい解説

トラック
truck

貨物自動車ともいう。主として貨物の輸送を目的とする自動車。大型のものでは最大積載量が12tに達するものもみられ,これらのうちとくに長尺重量物の運搬には,自動車としての法規制がゆるやかなトレーラートラックが重用されている。

 トラックも,基本的な構成は乗用車と大きく異なるものではない。エンジンは主として運行燃費の低減をはかるため,中型車以上ではディーゼルエンジンが採用され,その排気量は,大型車では優に1万ccを超え,2万ccにもせまるものもみられる。一方,排気量増加による高出力化のほかに,ターボ過給を行うことも広く採用され,空車運行時の燃費節減と貨物積載時に必要な高出力とを両立させている。変速機は,低速時の大きな駆動力を得るとともに高速化に対応するため,変速段数は5~6段のものが多く,なかには10段変速のものもある。フレームは,2本の長い縦材に数本の横材をリベットや溶接により結合した形式のはしご型フレームが一般的で,各部材には自動車用熱間圧延鋼板をプレス成形したものが多く用いられる。運転席や荷台はフレームに別個に取りつけられるため,さまざまな形式の荷台を自由に架装できる。

自動車の種類に関する用語と意味などについて規定しているJIS D 1010によれば,トラックは,ボンネットトラック,キャブオーバートラック,バン,パネルバン,ライトバン,ピックアップの6種に分類される(図1)。ボンネットトラックは,エンジンが運転席前方に位置し前部にボンネットをもつ形式のトラックである。キャブオーバートラックは,エンジンが運転室内に入り込んでいる形式で(多くはシート下にエンジンが設置される),ボンネットトラックに比べて,エンジンルームの張出しがないので前方視界がよく,運転性の向上がはかれるため,大型トラックはこの形式をとるものが多い。バンは,屋根の固定された箱型荷物室をもつトラックで,運転室と荷物室とは別体に作られた形式のものである。荷物室は密閉構造とすることができるため,積載貨物の水濡れなどを完全に防止することができる。荷物室の外板には,軽量化のためアルミニウム合金板が多く使われる。パネルバンは,運転室と荷物室とが一体に成形された共通の屋根をもつ形式のトラックである。ライトバンは,小型のパネルバンを指すが,両者の明確な区別はない。パネルバンやライトバンの多くは乗用車と基本設計を共通とし,後部荷物室のために車体の屋根形状変更や,積載荷重の増加に対処したフレームの補強などが施されている。ピックアップは,荷物室の屋根がなく,荷台側板が運転室と一体に成形された形式のトラックである。

 以上がJISによる分類であるが,このほかにも種々分類することができ,例えば荷台形式によって分ければ,荷台の周囲の側板(あおり板)が両側面および後方に開閉できる三方開き型,荷台後部のあおり板のみが開閉できる一方開き型,あおり板がなく長尺重量物などの運搬に適するプラットホーム型などがある。また,油圧により荷台全体を傾斜させることができるものはダンプトラック(いわゆるダンプカー)という。石油,薬品などの液体を大量輸送するための専用のタンクをもつトラックは,タンクローリー車と呼ばれ,これには安全上の種々の規制が設けられている。清涼飲料水や酒類などを効率よく運搬するため荷台に棚を設け,ケースごと大量に積載する形式のトラックはボトル車と呼ばれる。このほか,大量の貨物を能率よく運搬したり長尺物や重量物の運搬に適したものにトレーラートラックがある。トレーラートラックは,トラクター(牽引用自動車)でトレーラー(被牽引車)を牽引する形式のもので,トレーラーには大別してフルトレーラーとセミトレーラーの2種類の形式がある(図2)。フルトレーラーは,トレーラー単体で積載物の重量を支持する形式で,通常2本の車軸が用いられ,トラクターは牽引のみ行えばよい。セミトレーラーは,1本の車軸を後部におく形式のもので,トラクターとの結合は第5輪,またはカップラーcouplerと呼ばれる連結器によってなされ,両者の相対運動を自由に行うと同時に,連結,切離しが容易に行える構造となっている。セミトレーラー用トラクターは,運動性能を向上させるためホイールベースは極力短いものとされる。また積載貨物の荷重がトラクターにも加わるため大きな駆動力が発生し,牽引力を有効に利用できる利点があり,大型のトレーラーとすることが比較的容易である。フルトレーラーに比較して屈曲点がカップラー部の1点であるため後退が容易で運動性能も高い。一方,フルトレーラーは,トレーラーとトラクターに積載貨物を分割することができ,牽引用車両としては専用トラクターのほかに普通トラックを用いることもできる利点がある。
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百科事典マイペディア 「トラック」の意味・わかりやすい解説

トラック

貨物自動車。荷物の輸送を目的とし,堅固さと耐久性を主としてつくられる。むき出しの荷台に囲いをつけた普通形,バンのほか,タンクローリー車ダンプカーハーフ・トラックなどの特種用途トラックもある。→トレーラー
→関連項目ライトバン

トラック[諸島]【トラック】

西太平洋カロリン諸島中央部の島群。周囲約200kmの環礁のなかに,主島ウェノ島(旧称モエン)のほか,ダブロン,フェファン,トル,ウドットなど約50島がある。良港,空港がある。第1次大戦後,日本の委任統治領となり,かつお節,コプラなどを移出。第2次大戦後,米国信託統治領を経て1982年ミクロネシア連邦の一員となった。1989年,現地音のチュークChuuk諸島と改称。127km2。4万8654人(2010)。
→関連項目ミクロネシア

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トラック」の意味・わかりやすい解説

トラック
truck

貨物を専門に運搬する自動車。積載能力は 200kg~10t程度。非常に種類が多いが,運転席の構造と荷台の型によって次のように分けられる。運転席の構造からは,機関を運転室の前部に配置したボンネット型,機関を座席の下部に置いて荷台のスペースを広くしたキャブオーバー型,修理の際に運転室が前に倒れるティルトキャブなどがある。荷台の型からは,側板が三方に開く最も一般的な三方開きボディ,荷台の側板がなく材木や穀物袋,セメント袋などを運搬するプラットホームボディ,箱型の荷台をもち家畜を運ぶステーキボディ,荷台をシートでおおうことができ,降雨の際使用するカーゴボディなどがある。このほかダンプトラックやトレーラ・トラックがある。

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化学辞典 第2版 「トラック」の解説

トラック
トラック
track

飛跡ともいう.荷電粒子が物質中を通過するとき,物質と種々の相互作用をしながら減速していくが,その粒子の通った跡をトラックという.陽子やα粒子などの重荷電粒子のトラックは直線に近いが,電子のトラックはジグザグの形をとる.トラックの長さのことを飛程という.粒子がトラックの単位長さ当たり失うエネルギーを,線エネルギー損失または阻止能という.トラックを直接観測する検出器として,トラックチェンバー(ウィルソンの霧箱,泡箱,スパークチェンバーなど)や原子核乾板がある.

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「トラック」の解説

トラック

ハードディスクや磁気テープなどにデータが記録される部分。ディスクの場合、同心円の帯状に何本ものトラックに分けられている。磁気テープの場合は、直線の帯状になる。ディスクには、同心円が何重にも存在する。

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サーフィン用語集 「トラック」の解説

とらっく 【トラック Track】

ライディング後に、波の面に残った水の跡。

出典 (株)デジサーフ、(株)セキノレーシングスポーツサーフィン用語集について 情報

世界大百科事典(旧版)内のトラックの言及

【自動車】より

…車両自体にエネルギー源と原動機を備え,レールによらずに主として路上を自由に運転走行できる車両をいい,路上を走行するものでもトロリーバスのように架線を用いる車両は含めないのがふつうである。ただしトレーラートラックやトレーラーバスのように牽引される車両は自動車に含めている。なお,ISOの〈Road Vehicles:Types,Terms and Definitions〉では,原動機を備え路上を運行する車両で,4個またはそれ以上の車輪をもち,レールを用いないで人や荷物の運搬,その牽引,特別用途のために使われる車両を自動車motor vehicleと定義して,トロリーバスも含めており,また三輪車でも車両重量400kg以上のものは自動車に含めている。…

【輸送】より

…当初,外国船の購入に始まった蒸気船は,国内造船業の発達によって国産化され,沿岸舟運はもちろん海外渡航にも従事し,輸送の中心となった。 自動車(トラック,トレーラー)を中心とする現在の陸上運輸体系への先駆としてのトラック採用は大正末・昭和初年から始まるが,本格的な展開は,昭和30年代初頭に国の助成をうけて動きだした自動車産業が定着し,全国総合開発計画と地方都市の工場誘致運動の成果が表れてくる昭和40年代以後といってよいであろう。【古島 敏雄】
【中国】
 古来〈南船北馬〉といわれるように,中国の交通輸送手段は,黄河と淮河(わいが)の中間を境として二分され,南方では船,北方では馬あるいは車が主力を占めた。…

※「トラック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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