ローマの観光名所として知られる,バロック様式の噴水のある泉。トレビの名は泉の前の広場に3本の街路が集まることに由来。前19年C.アグリッパが市郊外約20kmの水源から水を引いて創設し,ローマ時代にはアクア・ウェルギネAcqua Vergineと呼ばれた。現在の噴水は,1732年,競技設計の末サルビNicola Salvi(1697-1751)の案にもとづいて起工,62年に完成した。重厚な凱旋門を背景として中央にオケアノスの巨像を配する。バロック彫刻の代表傑作には含められないが,建築,彫刻,および自然要素としての水と岩を,噴水という効果的な都市装置のなかで巧みに融合させている。ローマに旅した者が泉に背を向け,肩ごしに硬貨を池に投げ入れるとローマ再訪がかなうと言い伝えられる。
執筆者:日高 健一郎
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イタリアの首都ローマの中心部近くにある噴水。教皇クレメンス12世の命令でニコラ・サルビが設計し、1762年に完成した。噴水は、海神ネプチュンがトリトンに操られた海馬を駆って行く姿を描いている。噴水の背後にポーリ侯の宮殿がある。トレビとは「3本の道が集まるところ」という意味。後ろ向きで泉にコインを投げ入れるとローマにふたたび戻ってこられるという伝説で有名。
[藤澤房俊]
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