トロア(英語表記)Troyes

デジタル大辞泉 「トロア」の意味・読み・例文・類語

トロア(Troyes)

フランス北東部、グラン‐エスト地方、オーブ県都市同県県都百年戦争におけるトロア条約の締結地。20世紀半ば、木組み造りの家並みの保護・復元が進められた。ステンドグラスの美しさで知られるサントマドレーヌ教会やサンピエールエサンポール大聖堂などの歴史的建造物が数多く残っている。トロワ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トロア」の意味・わかりやすい解説

トロア
Troyes

フランス北東部,オーブ県の県都。旧シャンパーニュ州の中心都市。パリ盆地南東部,セーヌ川上流とオートセーヌ運河に臨む。ユリウス・カエサルの征服以前はケルト人の町であった。5世紀アッチラ侵略に際して,司教ルプスがトロアへの侵攻を思いとどまらせたと伝えられる。その墓跡には聖堂が建てられ,フランス革命の頃まで存続した。中世にはシャンパーニュ伯領の首都となり,6月,10月に定期市が催されて,これが繊維工業の発展をもたらした。今日ではメリヤス絹織物,婦人靴下などの衣料関連工業は下火になり,機械,自動車部品などの製造業やサービス業が主産業となっている。美術館,歴史博物館のほか,13世紀の聖ユルバン(ユルバヌス)聖堂,1420年にイングランド王ヘンリー5世カサリンと結婚式を行なった聖ジャンオーマルシェ聖堂(14~17世紀),聖マドレーヌ教会(12~14世紀),美しいステンドグラスをもつサン・ピエール・エ・サン・ポール大聖堂(13~17世紀)などがある。百年戦争中のトロアの和約はここで結ばれた。人口 6万400(2005推計)。

トロア
Troy, Jean-François de

[生]1679.1.27. 〈洗礼パリ
[没]1752.1.26. ローマ
ランス画家。 1698年イタリアにおもむき,ローマでグェルチーノや 16世紀ベネチア派の作品を学ぶ。 1706年パリに戻り,08年王立アカデミー会員。 38年以来ローマのアカデミー・ド・フランスの会長。多彩なスタイルを用いて歴史画,寓意画,肖像画風俗画などを描いたほか,ゴブラン織下絵の制作など多方面に活躍した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「トロア」の意味・わかりやすい解説

トロア
とろあ
Troyes

フランス北東部、オーブ県の県都。パリ東南東158キロメートル、セーヌ川沿いに位置する。人口6万4769、都市圏人口12万5240(1982)。シャンパーニュ地方南部にあり、ランスに次ぐ同地方第二の都市。司教座の所在地で、中世以来、商業が栄えた。伝統的な頭巾(ずきん)・靴下製造のほかに、ゴム(タイヤ)、車輪リム製造、起重機、錠(じょう)、照明、金属杭(くい)、製紙などの工業も盛ん。パリ―バーゼル間の鉄道幹線に沿い、近くに空港もある交通の要衝。サンピエール・エ・サンポール教会(13~17世紀)、サント・マドレーヌ教会(12、16世紀)、ゴシック様式のサンチュルバン大寺院(13世紀)、サン・パンタレオン教会(16世紀)など古い教会が多い。

[大嶽幸彦]

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世界大百科事典 第2版 「トロア」の意味・わかりやすい解説

トロア【Troyes】

フランス中東部,オーブ県の県都。司教座所在地。人口6万1000(1990)。パリの南東約160kmにあり,セーヌ川に臨む。18世紀から,特に19世紀に同市を中心にニット製品の生産が発展し,現在でもフランス最大の生産地である。その他,タイヤなどの工場も同市やその周辺に立地している。 かつてはケルト人の一部族の首邑であり,ローマ時代にはアウグストボナAugustobonaと呼ばれた歴史の古い都市で,4世紀にはすでに司教座が置かれた。

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世界大百科事典内のトロアの言及

【シャンパーニュ】より

…1285年フランス王領へ併合された。主都はトロアTroyes。パリをかなめとする扇のような,同心円状の三つの地帯からなり,内側は〈イル・ド・フランスの急崖〉の丘陵地帯,中央部は〈乾燥(不毛な)シャンパーニュChampagne sèche(pouilleuse)〉の台地,外側は〈湿潤シャンパーニュChampagne humide〉の低地である。…

※「トロア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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