ドライアイス(英語表記)dry ice

翻訳|dry ice

デジタル大辞泉 「ドライアイス」の意味・読み・例文・類語

ドライ‐アイス(dry ice)

固体二酸化炭素炭酸ガス圧縮液化し、冷却して固化させたもの。昇華するため液体にならない。冷却剤として使用

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精選版 日本国語大辞典 「ドライアイス」の意味・読み・例文・類語

ドライ‐アイス

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] dry ice ) 固体二酸化炭素の別名。二酸化炭素ガス(炭酸ガス)を圧縮して得られた液体炭酸を、一部蒸発させると冷えてできる白色の固体。空気中で昇華してガスになる。冷却材として広く用いられ、摂氏マイナス八〇度ぐらいまでの低温を得ることができる。固形炭酸固体炭酸。〔アルス新語辞典(1930)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「ドライアイス」の意味・わかりやすい解説

ドライアイス
dry ice

固体の二酸化炭素CO2の俗称。気体の二酸化炭素を圧縮液化し,ノズルから噴出させると,断熱気化の際の潜熱により冷却され,その一部が雪状の粉末となる。これに少量の液体二酸化炭素を加えて圧縮して,固めてつくられる。大気下では-78.5℃で昇華し,液体とならず気体となるだけで低温が得られるので,冷却剤として用いられる。単位重量当りの気化熱が大きく,氷と異なりぬれないのが特徴である。実験室ではエーテルメチルアルコールなどの中に砕いて投入して冷却体とし,-80℃くらいまで容易に冷却することができる。家庭用,商業用として普通に用いられるが,直接に指などで触れると凍傷になることがある。
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百科事典マイペディア 「ドライアイス」の意味・わかりやすい解説

ドライアイス

二酸化炭素を固体にしたもの。固体炭酸とも。通常,工業的には,コークスを燃焼させて発生したガス中の二酸化炭素を炭酸ナトリウム水溶液に吸収させて炭酸水素ナトリウムとした後,加熱して純粋な炭酸ガスを得,冷却・加圧して液化,次いでこれを小孔より噴出させて一部を気化することにより残りを冷却・固化し,得られた粉末を圧縮成形する。白色固体。液化せず,昇華して直接気体になり,−80℃くらいの低温が得られるので冷却剤として重用。直接肌に触れると凍傷をおこす危険がある。昇華によって発生した二酸化炭素蒸気は空気中の水蒸気を凝結させ,それが霧や雲のように見えるので演劇にも用いられる。
→関連項目二酸化炭素

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化学辞典 第2版 「ドライアイス」の解説

ドライアイス
ドライアイス
dry ice

固体二酸化炭素粉末を加圧形成したもの.大気圧下では-78.5 ℃ が昇華温度であるから,冷却材として使っても液体を生じないのでドライアイスの名称がつけられた.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「ドライアイス」の解説

ドライアイス

 二酸化炭素の固体.氷よりはるかに低温で,常圧で昇華することから,冷やすものを濡らさないので,便利に使われる.

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世界大百科事典(旧版)内のドライアイスの言及

【昇華】より

…したがって昇華現象を利用すると,物質をぬらすことなく冷却できる(これを無湿冷却という)。常温常圧下で昇華するものとしては,ショウノウ,ヨウ素,二酸化炭素(ドライアイス)などがある。ドライアイスは無湿冷却で,約-80℃の低温が得られ,各種の方面で利用されており,演劇の舞台などで霧や雲を作るのにも用いられる。…

※「ドライアイス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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