日本大百科全書(ニッポニカ) の解説 ドルモン・デ・アンドラーデどるもんであんどらーでCarlos Drummond de Andrade(1902―1987) ブラジルの詩人、作家。伝統的詩形式と決別する近代主義運動から出発したが、第二次世界大戦後は伝統的要素や前衛的な具象主義をも取り入れ、絶えず形式に強い関心をみせた。内容的にも故郷の身近なできごとから、詩人としての使命、社会的・政治的テーマまでと幅広く、短編小説、コラムでも、感傷を排した正確な文体、洗練されたユーモア感覚、多少苦みの混じった人間的温かみで読者を魅了している。代表作に詩集『人々のバラ』(1945)、『物の教え』(1962)がある。[高橋都彦] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例