ドーナツ現象(読み)ドーナツゲンショウ

デジタル大辞泉 「ドーナツ現象」の意味・読み・例文・類語

ドーナツ‐げんしょう〔‐ゲンシヤウ〕【ドーナツ現象】

大都市中心部の居住人口地価高騰生活環境悪化などのために減少し、周辺部の人口が増大して人口分布ドーナツ状になる現象。ドーナツ化現象。

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精選版 日本国語大辞典 「ドーナツ現象」の意味・読み・例文・類語

ドーナツ‐げんしょう‥ゲンシャウ【ドーナツ現象】

  1. 〘 名詞 〙 都市の中心部は地価の高騰や生活環境の悪化などのため、居住する人が少なくなって、その周辺圏に住宅が増加する現象。
    1. [初出の実例]「よく大都市のドーナッツ現象だの沿線のベッドタウンだのというが」(出典:深海魚族(1970)〈邦光史郎〉華麗な女たち)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドーナツ現象」の意味・わかりやすい解説

ドーナツ現象
どーなつげんしょう

都市への人口や機能の集中が高度に進行するにつれ、都心地域の定住人口夜間人口)や雇用人口が減少し、都市周辺の定住人口や雇用人口が増大して、あたかもドーナツのような形で都市が拡大する現象をいう。この現象は、人口や機能が集中している都市では、程度の差はあれ、どこでも認められるが、大都市ほど著しい。とりわけ東京や大阪などの大都市では、都心地域の人口の社会減が目だつようになっている。さらに、人口の減少は、都心地域の機能(とりわけ工場など)の分散による雇用人口の減少とも深くかかわるようになってきている。このような都心地域の人口や機能の分散は、いわゆる「大都市の衰退」や「インナーシティ」の問題の背景をなしているものである。都心の人口減少、都心空間の再編成などによって引き起こされるインナーシティの問題は、現代の新しい重要な都市問題として注目をひくようになった。

[高橋勇悦]

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