上場企業の時価総額で世界最大を誇る証券取引所。1792年に非営利の会員組織として発足した。大型優良銘柄を多数抱え、ソニーやNTTドコモなど日本企業も14社が上場している。2013年には、親会社のNYSEユーロネクストが米インターコンチネンタル取引所(ICE)に買収され、ICEの傘下に入った。
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ニューヨークのウォール街にある世界最大の証券取引所。インターコンチネンタル取引所により運営されている。略称NYSEで、ビッグ・ボードBig Boardの愛称で知られる。1792年5月17日、ウォール街のスズカケノキ(プラタナス)の下で売買手数料を定めた「すずかけ協定Buttonwood Agreement」に基づき、24人の仲買人が始めた株式売買がニューヨーク証券取引所の起源とされる。以来200年以上の歴史をもつ取引所であり、上場企業の株式時価総額(2013年末時点)は17兆9498億ドルと世界首位で、同2位のNASDAQ(ナスダック)の約3倍、同3位の東京証券取引所の約4倍に達する。同時点での上場会社数は2371社で、上場会社には「ティッカーTicker」とよばれるアルファベット1~3文字のシンボルコードが与えられている。アメリカの代表的株価指標であるダウ工業株30種平均は、おもにニューヨーク証券取引所の上場株式で構成されている。ニューヨーク証券取引所の株価動向は、世界の株式相場はじめ債券や外国為替相場に影響を与えることが知られている。1929年10月にニューヨーク株式市場で起きた株価の大暴落は「暗黒の木曜日Black Thursday」とよばれ、世界大恐慌の引き金になった。1987年9月の「暗黒の月曜日Black Monday」、2001年9月のアメリカ同時多発テロ時、2008年9月のリーマン・ショックなども、ニューヨーク証券取引所の株価急落が世界的な株価暴落のきっかけとなっている。
1817年にニューヨーク証券取引所理事会を設立して定款を設け、非営利会員組織として取引所の運営を開始。1903年にはウォール街に現在の重厚な取引所建物を建設し、以来、「ウォール街」はアメリカの株式市場の代名詞となった。国際的な取引所間競争を勝ち抜くため、2005年にそれまでの非営利会員組織から株式会社へと移行、2006年に持株会社のNYSEグループがニューヨーク証券取引所に上場した。2007年には、ヨーロッパで取引所を運営するユーロネクストと合併し、ニューヨーク証券取引所の運営会社はNYSEユーロネクストとなった。しかし現物株よりも先物などデリバティブ(金融派生商品)取引の世界的な隆盛から、2013年には新興の電子取引所であるインターコンチネンタル取引所に買収された。
上場審査は世界一厳しいとされるが、2001年から2002年にかけて、エンロン、ワールドコムなどの上場企業が相次いで粉飾決算事件を起こして破綻(はたん)したため、上場基準をさらに厳格化した。日本企業ではソニーが1970年(昭和45)に、日本本国の株式を裏づけとしたアメリカ預託証券(ADR)を発行する方式で初めてニューヨーク証券取引所に上場。以来、トヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループなど日本を代表する企業が上場しているが、上場コストと利点が見合わないとしてTDK(2009)、日立製作所(2012)、パナソニック(2013)、クボタ(2013)などが相次いで上場を廃止している。
[矢野 武]
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