日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヌカボ」の意味・わかりやすい解説
ヌカボ
ぬかぼ / 糠穂
[学] Agrostis clavata Trin. var. nukabo Ohwi
Agrostis clavata Trin. subsp. matsumurae Tateoka
イネ科(APG分類:イネ科)の多年草。稈(かん)はやや株立ちし、高さ約50センチメートル、基部に翌年の新苗をつける。4~7月、稈頂に円錐(えんすい)花序をつける。花序の分枝は長短不同で、仮輪生状、ほぼ基部から小穂がある。花序は花期に開出し、花期後は直立する。小穂は1.5~1.7ミリメートル、小花が1個ある。護穎(ごえい)は包穎より短く、芒(のぎ)はない。日本全土の丘陵地に普通に生え、朝鮮半島、中国、またフィリピンの高山にも分布する。名は、小穂が小さく、糠(ぬか)のように微細であるためつけられた。基本種はヤマヌカボである。
[許 建 昌 2019年9月17日]