ネリ(英語表記)Neri, Filippo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ネリ」の意味・わかりやすい解説

ネリ
Neri, Filippo

[生]1515.7.21. フィレンツェ
[没]1595.5.26. ローマ
イタリアの宗教家。対抗宗教改革運動の代表的人物の一人。回心ののちローマに出て,家庭教師をしつつ哲学神学を学び,1548年慈善のための三位一体信心会を設立。 51年司祭となってサン・ジロラモ・デラ・カリタ聖堂に定住自室で若者との会合をもった。参会者がふえ,会場は教会の屋根裏部屋に移され,彼らはそこをオラトリウムと呼んだ。この会合が発展してオラトリオ会となり,そこで歌われていた音楽がオラトリオとなった。 75年グレゴリウス 13世よりサンタ・マリア教会跡を与えられ,会が創立され 77年ネリは総会長に選出された。 1622年列聖 (祝日 5.26.) 。ユーモリスト保護聖人

ネリ
Neri, Antonio

17世紀イタリアのガラス工芸家。フィレンツェの人。『ガラス製造法』L'Arte Vetraria (1612) の著者として有名。ピサで長くガラスの製造にたずさわり,ベネチア・ガラス技法にも通じていたといわれる。この書はヨーロッパ各国語に翻訳され,ヨーロッパ・ガラス工芸の基本的原典として大きく貢献した。日本でも馬場佐十郎によって『硝子製法集説』 (1810) のなかにその一部が訳出され,江戸期のガラス工芸の重要な参考書とされた。

ネリ
Neri, Ferdinando

[生]1880
[没]1954
イタリアの評論家,文学史家。主著『20世紀上四半期におけるフランス・イタリア研究』 Gli studi francoitaliani nel primo quarto del secolo (1928) 。

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世界大百科事典 第2版 「ネリ」の意味・わかりやすい解説

ネリ【Antonio Neri】

1576‐1614
イタリアのガラス研究者。フィレンツェの修道士で,長年ベネチアのガラスの製造にたずさわり,その経験もとに1612年《ガラス製造法》を公刊した。本書はガラス製造技法の宝典としてフィレンツェ,ベネチアで数回にわたって出版され,またヨーロッパ各国語に翻訳された。日本では江戸時代オランダ語をもとに馬場佐十郎が訳した《硝子製造集説》に本書のことが記されている。【前田 正明】

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デジタル大辞泉プラス 「ネリ」の解説

ネリ

オクラの沖縄名。同県では、断面が五角形になる「角オクラ」よりも「島オクラ」「丸オクラ」などと呼ばれる丸型種が好まれる。

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