ハイバル[峠](読み)ハイバル

百科事典マイペディア 「ハイバル[峠]」の意味・わかりやすい解説

ハイバル[峠]【ハイバル】

カイバー峠とも。パキスタンアフガニスタン国境ヒンドゥークシ山系のサフィド・コー山脈中の峠で,最高点は標高1029m。古来,西および中央アジアからインドへの重要な門戸で,ギリシア文化もこの峠を越えてガンダーラ地方などに伝えられた。また,軍事上の要点で歴史上ガズナ朝ムガル帝国ペルシアなどイスラム勢力のインド侵入路となり,またイギリス・アフガニスタン戦争戦場となった。
→関連項目パキスタンペシャーワル

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世界大百科事典 第2版 「ハイバル[峠]」の意味・わかりやすい解説

ハイバル[峠]【Khyber】

パキスタン北西端,サフィド・コー山脈中にある峠。カイバル峠,カイバー峠とも呼ばれる。北西辺境州のペシャーワルとアフガニスタンの首都カーブルとを結ぶ。パキスタン側の検問所ジャムルードからアフガニスタン側の検問所トルハムまで全長34kmあり,アジア・ハイウェーが走り,パキスタン側には鉄道も敷設されている。一帯は小灌木がまばらに生えるのみの峨々たる岩山で,所々に要塞や,第1次,第2次イギリス・アフガニスタン戦争時のイギリス軍の記念碑が点在する。

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世界大百科事典内のハイバル[峠]の言及

【峠】より

… 内外の著名な峠は,いずれも歴史的な意味をもつか眺望にすぐれているかであり,人文活動と山との目だった接点ともいえる。パキスタンとアフガニスタンの間のハイバル峠(1027m)はインドへの軍隊の通過点として古くから名高く,ブレンナー峠(1370m)はイタリア・オーストリア国境にあり第2次大戦中ドイツ,イタリアの首脳会談の場所ともなった。 峠となる山稜上の鞍部の地形的成因は一定していない。…

※「ハイバル[峠]」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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