ハクサンボク(読み)はくさんぼく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハクサンボク」の意味・わかりやすい解説

ハクサンボク
はくさんぼく / 白山木
[学] Viburnum japonicum (Thunb.) Spreng.

スイカズラ科(APG分類:ガマズミ科)の常緑低木。高さ1~6メートル、全体に毛はない。葉は広卵形で長さ7~15センチメートル、質は厚く、光沢がある。4~5月、径約10センチメートルの散房状花序をつくり、白色の小花を多数開く。核果球形で、紅色。伊豆半島伊豆諸島、愛知県、山口県、九州、沖縄に隔離分布する。名は、石川・岐阜県の白山(はくさん)にちなんでつけられたが、白山には生育しない。植栽するとよく生育するが、庭木としてはほとんど利用されない。

[福岡誠行 2021年12月14日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハクサンボク」の意味・わかりやすい解説

ハクサンボク(白山木)
ハクサンボク
Viburnum japonicum

スイカズラ科の常緑低木で,西日本の暖地から南西諸島台湾に分布する。高さ 5mぐらいになり全体に毛はない。葉は有柄で対生し,長さ7~20cm,幅5~17cmの卵円形で先は急にとがり,縁には鋸歯がある。葉質は厚くなめらかで光沢があり,秋に紅葉する。4~5月に,茎頂集散花序を出し,多数の小さな白花を密につける。萼は小さく,花弁は5深裂し径 7mmほどあり,5本のおしべは花弁とほぼ同長,めしべは短い。秋に径 1cmの赤い核果をつける。

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世界大百科事典(旧版)内のハクサンボクの言及

【ガマズミ】より

…オトコヨウゾメV.phlebotrichum Sieb.et Zucc.(イラスト)は花序の柄が細く,花の数が少なく,葉の裏面脈上に絹毛があり,乾くと黒くなる。常緑性のハクサンボクV.japonicum (Thunb.) Spreng.が本州暖地の沿海地から九州,琉球,小笠原に分布する。ゴマギV.sieboldii Miq.(イラスト)は葉をもむとゴマに似た強い臭気がある。…

※「ハクサンボク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」