精選版 日本国語大辞典 「ハドリアヌス」の意味・読み・例文・類語
ハドリアヌス
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ローマ皇帝(在位117~138)。五賢帝の三番目の皇帝。トラヤヌス帝(在位98~117)と同じくスペインのイタリカ出身で、トラヤヌス帝の遠縁にあたる。85年に父を亡くし、トラヤヌスの後見を受ける。その後軍事、政治の要職を歴任し、第一次、第二次ダキア戦争にも従軍。トラヤヌスのパルティア遠征の際にはシリア総督であり、トラヤヌスが117年にキリキアで病死したとき、死に際に養子とされ、帝位を継いだ。対外政策はトラヤヌスと対照的に平和的、防衛的であり、パルティアと和し、属州の防衛や統治の強化のために121~134年にかけて帝国各地を巡察した。その際、ブリタニアに、いわゆる「ハドリアヌスの長城」を築いた。ユダヤ人の反乱(132~135)だけが治世の平穏を破る事件であった。ハドリアヌスは行政機構の改革に多くの成果を残し、都市の建設や建築造営にも多大な関心を示した。136年ルキウス・アエリウスを養子として後継者に指名したが、138年に彼が病死したためアントニヌス・ピウスを新たに指名し、同年7月10日に死亡した。
[市川雅俊]
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76~138(在位117~138)
ローマ皇帝。ヒスパニアの出身。政界に進み,トラヤヌス帝のあと帝位を継ぐ。五賢帝のうちの第3番目にあたる。前帝の対外積極政策から転じて,防衛強化と国力充実に努めた。帝国内を視察して回り,ブリタニアでは城壁を築いた。行政機構と軍制の整備は,以後の帝国の組織の土台を固めたものである。ハドリアノポリス(英語でアドリアノープル,現エディルネ)などの都市建設や,アテネ,ローマにおける神殿建設でも知られる。
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…古代ギリシアの建築書はすべて失われてしまっているが,それらの内容の大要は,前1世紀のローマの建築家ウィトルウィウスが前30年ころに書いた10巻の建築書によって,今日まで伝えられている。暴君ネロに仕えた3人の建築家,セウェルスSeverus,ケレルCeler,ラビリウスRabiriusは,自在かつ独創的なアイデアで知られ,トラヤヌス帝とハドリアヌス帝に仕えたダマスクスのアポロドロスは,おそらくローマ帝国時代最大の建築家であった。ハドリアヌス帝は,みずからもすぐれた建築家であって,ローマのパンテオン,〈ウェヌスとローマの神殿〉,ティボリのハドリアヌスの別荘(ビラ・アドリアーナ)などの実質上の設計者と見なされている。…
…以後,皇帝は最善の人が統治者たるべきであるとするストア哲学の考えに従って後継者を選び,その者を養子とした。トラヤヌス,ハドリアヌス,アントニヌス・ピウス,マルクス・アウレリウスと続く治世には,元老院との協調を旨とし属州行政も整備されて,〈パクス・ローマーナ(ローマの平和)〉と呼ばれる繁栄期が訪れた。啓蒙主義時代の歴史家ギボンは,五賢帝の時代を人類史上最も幸福なる時代と語っているが,近年の歴史研究の教えるところでは,肥大化する官僚・軍事機構の財政的負担が,地方都市の有産者層の財力によってかろうじて支えられることのできた時期であり,しだいに政治,経済,社会の諸問題が顕在化してきた時代と言える。…
…ローマ皇帝ハドリアヌスが自身とその一族のためにローマに建設した廟墓。〈聖天使城〉の意。…
…ネロは解放奴隷ドリュフォルスと女のように接しただけでなく,美青年スポルスを去勢して結婚し,皇后のように扱っている。ハドリアヌスはその寵児アンティノオスのために町を建て,神格化さえ行った。当時の乱れた性風俗を描くペトロニウスの《サテュリコン》には美少年との愛欲を争って楽しむ2人の男の話がある。…
…この登極の経緯から彼は軍隊の統制に難渋したため,後継帝として兵士出身のトラヤヌスを指名し,養子として採用した。トラヤヌスも,続く3人の皇帝も息子がなかったため,後継帝をあらかじめ指名して養子としたので,ネルウァ(在位96‐98),トラヤヌス(在位98‐117),ハドリアヌス(在位117‐138),アントニヌス・ピウス(在位138‐161),マルクス・アウレリウス(在位161‐180)の5代の養子皇帝時代が続いた。これをアントニヌス朝というが,彼らは〈五賢帝〉と名づけられ,E.ギボンによって〈人類の最も幸福な時代〉と褒めたたえられた。…
※「ハドリアヌス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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