無色あるいは淡黄色の有機化合物が,濃酸または金属塩によって発色する現象.造塩発色ともいわれる.A. Baeyer(バイヤー)の用いた術語.たとえば,トリフェニルメタノール (C6H5)3COHに濃硫酸を加えると強く発色する.これをBaeyerは中心炭素が硫酸と解離しやすい結合をつくり,(C6H5)3C…O・SO3Hのような塩になると考え,ハロクロミー(造塩発色)とよんだ.このようなトリフェニルメタン系色素では,中心炭素が sp3混成軌道をとって四価の結合をつくるとき,ロイコ型(無色または白色の意味)となり,酸化されて中心炭素が三価の結合にかわり,sp2 混成軌道をとると発色する.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
無色または淡黄色の有機化合物に、濃い酸あるいは金属塩を加えたとき生ずる発色現象。造塩発色ともいう。歴史的には、ドイツのJ・バイヤーがトリフェニルカルビノール(C6H5)3C・OHやそのアルデヒド、ケトンなどに濃硫酸を加えると発色することを発見し、これは、トリフェニルカルビノールの中心炭素原子が硫酸塩と弱く結合するためであると考えてハロクロミー(ギリシア語で「色」を意味するhalsと「塩」を意味するchromosから造語)と名づけた。今日では、ケトンやアルデヒドのカルボニル基が、酸や金属塩と分子間化合物を生成するための発色と考えられている。
[下沢 隆]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…成塩発色,ハロクロミーともいう。J.F.W.A.vonバイヤーらの研究による造語。…
※「ハロクロミー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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