ハ行転呼音(読み)はぎょうてんこおん

百科事典マイペディア 「ハ行転呼音」の意味・わかりやすい解説

ハ行転呼音【はぎょうてんこおん】

音変化の結果,語中語尾のハ行音がワ行音と混同され,歴史的仮名遣いではハ行の文字で表記されながらワ行音で発音される現象。この現象は個別的には早く《万葉集》にもみられ,〈潤八(うるは)河辺〉と〈潤和(うるわ)河辺〉の両表記がある。平安初期には,〈うるはし〉の語が〈うるわし〉と発音された。この音変化が一般の語にも及ぶようになったのは,10世紀末ごろからである。このため,その書き分けが仮名遣いとして意識されるようになった。

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