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デジタル大辞泉
「バラッド」の意味・読み・例文・類語
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バラッド
中世以降の物語的な民謡の一種。もとは舞踏歌であったが英国で歌曲として様式化され,英語圏に広まった。米国のアパラチア山脈には古いバラッドが伝承されている。口誦伝承され,その内容は歴史物語,伝説,恋物語など多様で,米国のチャイルドFrancis J.Child〔1825-1896〕が収集した《イングランドおよびスコットランドのポピュラー・バラッド》(1882年―1898年)には分類整理された305の主題が網羅されている。なお,バラッド・オペラは既存の民謡(バラッド)の旋律に新たな歌詞をつけ,せりふでつないだ音楽劇で,J.ゲイ〔1685-1732〕の《乞食オペラ》(1728年初演)以来,18世紀英国で人気を集めた。その形式はドイツのジングシュピールの発展に影響を与えた。また米国,英国のポピュラー・ソングでゆるやかなテンポの抒情的なラブ・ソングもバラッドと呼ばれる。英語圏ではフランスのバラードballade,ドイツのバラーデBalladeなどもバラッドと呼ぶことがあり,日本でもこれらの語は錯綜して用いられる。→バラード
→関連項目アパラチアン・ダルシマー|ダマリ|ロビン・フッド
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バラッド
ballad
英詩の一種。民衆の間に伝承されてきた抒情的な物語詩。舞踊や音楽を伴うことが多い。次のような特徴が認められる。 (1) 一つの事件に物語の焦点が合わされ,事件が破局へ向うところから始る。 (2) クライマックスの緊張,感激を強めるためにきわめて劇的な語り口が用いられる。 (3) 語り手は民衆を代弁するたてまえで,主観的な解釈や批評は控えられる。主題は悲恋,異教的または超自然的なもの,近親相姦そのほか家庭の悲劇,イングランドとスコットランドの戦争やロビン・フッドに関するもの,キリスト教的なものなどに分類できる。普通の韻律形式は四行連句で,2行と4行が脚韻をふむ。表現は素朴で,決った言い回しの反復が目立つ。作者については,個人の作品が民衆に受入れられたとする個人説と,原型は民衆の集りで歌い踊るうちにできたとする集団説とがある。イギリスでは 18世紀の初めから文学者や詩人の注意をひき,一つの文学形式として創作詩に取上げられるようになった。コールリッジの『老水夫の歌』やキーツの『非情の美女』がその代表作である。
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バラッド
日本のポピュラー音楽。歌は男性シンガーソングライター、指田郁也(さしだふみや)。2013年発売。作詞:指田郁也、jam、作曲:指田郁也、森俊之。TBS系で放送のドラマ「なるようになるさ。(シーズン1)」の主題歌。
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世界大百科事典内のバラッドの言及
【バラッド・オペラ】より
…J.ゲイの《乞食オペラ》(1728初演)によって確立。バラッドとは,当時は巷間で歌われる歌謡のことであったが,ゲイの作品は原則としてそれら既存の歌のメロディに新たに詞をつけ,せりふでつないだものである。したがって音楽的には庶民にも親しみやすかった。…
【バラード】より
…物語詩としてのバラードは元来ゲルマン系のものであるが,ロシアの古い英雄歌謡であるブイリーナbylinaやスペインの物語歌であるロマンセromanceなど,類似のものは他の民族にも見いだされる。【杉浦 博】
[英詩のバラッド]
イギリスのバラッドは,15世紀ごろまでは円陣を作った人たちが踊りながら歌うものであったようだが,やがて吟遊詩人が歌う形となり,語り物的な要素が強まった。エリザベス朝時代には時事小唄を刷物にして売ることが盛んに行われ,そうした歌をブロードサイド・バラッドbroadside balladと呼んだ。…
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