ペロポネソス半島の西端に位置するギリシア第4の都市。現代ギリシア語ではパートレPátrai,古典式ではパトライPatrai。軽工業を主とし,綿織物,タイヤ,オリーブ油,皮革,ブドウ酒などを産する。人口16万3446(2001)。コリントス湾の入口に面する港としても重要で,イタリア方面,とくにブリンディジからの船はここに入港した後,ピレウスに向かう。古典期の遺跡は海岸から少し奥にあったが,今はアクロポリスの跡が残るばかりで,さして見るべきものはない。ローマ時代のオデイオン(音楽堂)の完全に近い遺跡が1889年に発掘された。近代ギリシア独立の際,ここは最初にオスマン帝国に対して反旗をひるがえした町であり,今もその栄誉を誇っている。現代の町並みはその際にトルコ軍によって焼き払われた後,新しく造られたもの。
執筆者:池澤 夏樹
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※「パトラス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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