楕円(だえん)の形状をもつ、細菌の大きさに匹敵するほどの巨大なウイルス。2013年に、チリのトゥンケン川河口の堆積(たいせき)物の中からパンドラウイルス・サリヌスPandoravirus salinusが、オーストラリアのメルボルン近郊にある淡水湖の堆積汚泥のなかからパンドラウイルス・ドゥルキスPandoravirus dulcisの2種が発見された。それまでのウイルスの常識的概念ではとらえきれない巨大さゆえに、発見当初は光学顕微鏡でも確認できる細菌と誤認されていた。なお、これまでに発見された巨大ウイルスには、1992年の発見当初は細菌とされ、その後2003年にウイルスであることが判明したミミウイルスAcanthamoeba polyphaga mimivirusや、2011年にウイルスと発表されたメガウイルス・キレンシスMegavirus chilensisがあるが、パンドラウイルスは大きさや遺伝子の数においてもそれらを超える。川や海の水中にある堆積物中で生息する微生物のうち、原生生物に属するアメーバに寄生するウイルスで、ヒトには感染しないと考えられている。
これまでに知られる生命体は、バクテリアやクラミジアなどの「真正細菌」、メタン菌や好熱菌などの「古細菌」、そして原生動物、菌類、動植物などの「真核生物」の三つの系統樹に分類されている。しかしパンドラウイルスはおよそ2500とされる遺伝子の数の多さ、およびこれまでのものにない特殊な遺伝子配列などから、新たな生命体系統樹に属する可能性もあると考えられている。さらに2014年には、シベリアの凍土の中からパンドラウイルスよりも巨大なピソウイルスPithovirusが発見されている。
[編集部]
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