精選版 日本国語大辞典 「ヒエロニムス」の意味・読み・例文・類語
ヒエロニムス
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ラテン教父、聖書学者、聖人。英名ジェロームJerome。ダルマチア近くのストリドンに生まれる。12歳でローマへ赴き、文法・修辞学を学び、19歳で受洗。のちガリアを旅行し、同地で修道院生活を決意した。アクィレイアで友人とともに禁欲生活を始めたが、372年突如旅に出て、アンティオキアにとどまり、重病の床で「汝(なんじ)はキケロ主義者にてキリスト者にあらず」という声を聞き覚醒(かくせい)し、砂漠に退いた。そのころギリシア語とヘブライ語を学ぶ。一時教皇ダマスス1世Damasus Ⅰ(在位366~384)の秘書となり、のちベスレヘムに定住し、学問に没頭して東方神学の西方教会への移入に努め、ラテン世界に多大の影響を与えた。その最大にして不滅の功績は、聖書のラテン語訳(『ブルガーター』)である。該博な言語知識、古典への精通、綿密な研究旅行と多数の学者との交友の成果をもって西欧における修道生活への道を開拓し、翻訳、著述に専念したラテン教会の代表的著述家の一人となった。
[朝倉文市 2017年12月12日]
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…vulgataとはeditio vulgata(共通訳)の略。382年教皇ダマススDamasusの命により,当時最大の碩学ヒエロニムスが中心となって従来行われていた種々の古ラテン訳の不統一を正すことになった。新約のほうはすでに用いられていた《イタラItala》とよばれるイタリア訳を多少修正するにとどめ,386年ごろに一応終了したが,ヘブライ語から訳した旧約の翻訳にはパレスティナのユダヤ人等の助けをかり405年ごろ完成したという。…
… これにつづく4世紀は,3人の特筆すべきキリスト教作家を出した。年代的にも接近して現れたアンブロシウス,ヒエロニムス,アウグスティヌスがこれである。この3人はみな護教活動のほか,多くの著述や大部な書簡を残しているが,アンブロシウスはまた賛美歌創始者の一人として知られ,その作になる《世界の永遠なる造り主》ほか多くの詩は,広く一般に用いられ,多くの模倣者をさえ出した。…
…第1回十字軍がラテン帝国を創設したとき,ボードゥアン1世(在位1100‐18)がこの教会で即位した。現在その北に聖カタリナ教会(1883建設)が隣接し,その地下にはヒエロニムスが《ウルガタ》(ラテン語訳聖書)完成のために住んでいた部屋とされる洞窟がある。【関谷 定夫】。…
…皇帝ジギスムントはこの裁判に臨席して弁護の発言をしながら,その効果なくフスは7月6日火刑に処された。彼の同僚プラハのヒエロニムスHieronymus Pragensisはオックスフォードに学びウィクリフをチェコに紹介した人物で,一度は危険を避けてカトリックの教義を認めたが,16年5月フスの無罪を主張してフスと同じ運命をたどった。しかしこの処置はボヘミアの反カトリック運動に油を注ぐ結果となった。…
…3世紀になるとアレクサンドリアはキリスト教神学研究のメッカとなった。なお,《ウルガタ》として知られるラテン訳聖書を確定したヒエロニムスは,ローマに教皇図書館を建てるときの立役者となっている。
[中世]
東ゴート族の王テオドリックに仕えたローマ人カッシオドルスは,アレクサンドリアのムセイオンをモデルに大学と図書館とを兼ねたようなものの建設を考えていた。…
…しかし,彼の注釈はセルウィウスによって参考にされ,現在にも伝わるその膨大な注釈書に吸収されている。ラテン語訳聖書,いわゆる《ウルガタ》の編者ヒエロニムスはドナトゥスに学んだ。【三浦 尤三】。…
…2世紀後半の教父(特にエイレナイオス)以後は,正典四福音書記者を表すシンボルとして四つの天的生物が考えられた。異なる考え方も存在したが,最終的には《ヨハネの黙示録》4章6~8節に即して,マルコを〈ライオン〉,マタイを〈人〉(人のような顔をした生き物),ルカを〈牛〉,ヨハネを〈鷲〉のシンボルでそれぞれ表記したヒエロニムスの考え方が定着した。聖書【大貫 隆】。…
…また後に,ペリカンの母鳥は,人々を救済するために死んだイエス・キリスト自身とも解釈されるようになった。象徴としてのペリカンをとくに重視した4世紀の聖人ヒエロニムスは,ヘビ(魔王の象徴)の毒で殺された雛が蘇生するのは,母鳥がくちばしで自身の脇腹を傷つけ血を滴らせるからだと説いた。この図柄はアメリカ,ルイジアナ州の紋章でもあり,同州はペリカン州Pelican Stateとも俗称される。…
…それによりイギリス自体を戯画化する際にも王冠をかぶったライオンの姿が用いられる。聖人の図像ではヒエロニムスとともにしばしばライオンが従順な下僕として描かれる。これは修道院にはいりこんだライオンをこの聖人がもてなし,とげを抜いてやったという伝説に由来するものである。…
…313年のキリスト教公認を境に,4世紀から5世紀にかけて,《マタイによる福音書》を叙事詩にしたユウェンクスJuvencus,雄弁家ラクタンティウス,賛美歌作者で人文主義に反対した神秘主義者アンブロシウス,古代最大のキリスト教ラテン詩人プルデンティウスとその後継者ノラのパウリヌスなどが活躍したが,古代最大の2人のキリスト教作家も続いて現れた。一人は,全古典作家に精通した人文主義者である一方,聖書をラテン語に翻訳して,異教の伝統とキリスト教とを照応させたヒエロニムス,もう一人はヨーロッパ最初の自叙伝《告白》と,《神の国》などの著作で名高いアウグスティヌスである。こうみてくると,一部にアンブロシウスのような反人文主義の主張があったとはいえ,全体としてはキリスト教作家たちは古典を尊重し,これを習得研究してキリスト教思想と融合させようとしている。…
※「ヒエロニムス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
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