日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒトラー・ユーゲント」の意味・わかりやすい解説
ヒトラー・ユーゲント
ひとらーゆーげんと
Hitlerjugend ドイツ語
ナチス党の、またその政権掌握後は第三帝国の青年組織。1926年に設立され、31年シーラッハが「ナチス党青年指導者」の地位につくと、ドイツ女子青年団(BDM)など党の青年組織を統合した。33年ヒトラー政権が成立すると、シーラッハは「ドイツ国青年指導者」としてナチス党以外のあらゆる青年組織を解体・再編し、ヒトラー・ユーゲントを家庭や学校に優先する「身体的・精神的・道徳的教育のための組織」と位置づけ(1936年の「ヒトラー・ユーゲント法」)、10~18歳の青少年男女のイデオロギー的・組織的な全面的把握を目ざした。団員数は、32年末10万、33年夏350万、38年末870万といわれる。
[吉田輝夫]