翻訳|Hippocrates
紀元前5世紀ごろ、古代ギリシャで活躍した医学者で、医学の
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古代ギリシアの医学者。コス島の生まれ。父もまたヒポクラテスと称し、医師であった。父から医師としての手ほどきを受け、その後、小アジア、ギリシアの各地を遍歴し、多くの哲学者、医学者と交わったのち故郷に帰り、診療を施し、著述を発表した。テッサリア地方のラリッサで死んだと伝えられる。
彼の所説を集めた『ヒポクラテス全集』Corpus hippocraticumは、ヒポクラテス一人だけの主張を集めたものではなく、彼に同調した人々の考えをも加えたものとされているが、これらのなかからヒポクラテス自身の見解を求めることは比較的容易である。彼の人体の生理・病理についての考えは体液論に基づき、人体は火・水・空気・土の四元素よりなり、人の生活はこれらに相応する血液・粘液・黄胆汁・黒胆汁によって左右される、とした。そしてこれら四液の調和が保たれている状態をエウクラジーeukrasieとよび、人は健康であり、不調和な状態をディスクラジーdyskrasieとよんで病気にあるとした。病気そのものと病気の症状をはっきり区別し、病的状態から回復しようとする力をフィジスphysisとよび、「病気を医するものは自然である」との説をたてた。予後学を重視し、瀕死(ひんし)の患者の顔つきについて述べた部分は今日でもなお使われている。そのほか、医師の倫理・任務などについても重要な指摘・見解を多く述べており、ヒポクラテスの名を一段と高めている。
[大鳥蘭三郎]
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前460頃~?
前5~前4世紀のギリシアの偉大な医師。疫病の原因を超自然的な作用から明確に切り離し,四体液説を立てるなど,科学的態度で疫病に臨み,綿密な臨床記録も残し,医聖と呼ばれる。
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…古代ギリシアの医学の大成者。ソラノスの伝によると,彼は前460年にコス島で生まれたとされる。父のヘラクレイデス,ついでへロディコスから医術を学んだ。両親の死後コスを離れ各地を旅して医療活動を行い賞賛を得た。ペロポネソス戦争のときにはアテナイをはじめとする諸都市を疫病から救い,アテナイの市民権を与えられた。テッサリアのラリッサの付近で死んだが,その年齢として85歳,90歳,104歳,109歳の4説が伝えられ,また別に83歳説もある。…
※「ヒポクラテス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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