ヒルガオ(読み)ひるがお

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒルガオ」の意味・わかりやすい解説

ヒルガオ
ひるがお / 昼顔
[学] Calystegia pubescens Lindl.
Calystegia japonica Choisy

ヒルガオ科(APG分類:ヒルガオ科)の多年生つる草。葉は互生し、長楕円(ちょうだえん)形で基部の側片は耳形になる。6~8月、葉腋(ようえき)から翼のない長い花柄を出し、先に漏斗(ろうと)形の淡紅色花を1個開く。萼(がく)を包む包葉は卵形、先端は丸みを帯びるか、すこしへこむ。普通は結実せず、地下茎で繁殖する。丘陵から山地道端垣根、耕作地、荒れ地に生え、日本、および朝鮮半島、中国に分布する。名は、朝咲くアサガオに対し、昼に咲くことによる。

 全草乾燥したものを漢方で「旋花(せんか)」と称し、瀉下(しゃげ)、利尿剤とする。ヒルガオ属はつる草で、花は1個ずつ開き、漏斗形で大きく、萼の基部は2枚の包葉に包まれる。世界に25種、日本に4種分布する。

[高橋秀男 2021年6月21日]


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百科事典マイペディア 「ヒルガオ」の意味・わかりやすい解説

ヒルガオ

ヒルガオ科の多年草。日本全土,東アジア日当りのよい平地にはえる。茎はつる性となる。葉は長楕円形で互生し,長い柄がある。7〜8月,葉腋から長い柄をのばし,頂に淡紅色で漏斗(ろうと)形の花を1個つける。花は径約6cm,日中に開き夕方しぼむ。まれに結実。近縁コヒルガオは花が小型で,花柄の上部に縮れた狭い翼があって,5月ごろから開花する。

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