世界大百科事典 第2版 の解説
ヒルデガルト[ビンゲンの]【Hildegard】
ドイツ最初の女性神秘家。貴族の家柄に生まれ,幼少のころからその宗教的幻視で評判となる。女隠者ユッタJuttaから教育を受け,1114年ころ修道女となり,36年,ビンゲンBingen近郊ルペルツベルク女子修道院の長(マギステル)となる。一説では63年フリードリヒ1世(バルバロッサ)が彼女を修道院長に任じたという。みずから体験した幻視を1141‐51年の間に《スキウィアス(主の道の知識)》として公刊し,教皇エウゲニウス3世の認可を得た。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報