フィラリア

精選版 日本国語大辞典 「フィラリア」の意味・読み・例文・類語

フィラリア

〘名〙 (filaria) 象皮病を起こす寄生線虫類総称。からだは細長く糸状で雌は約八〇ミリメートル、雄は約四〇ミリメートル。人体ではまれにリンパ管リンパ腺に寄生し、フィラリア症を起こす。アカイエカなどの蚊が中間宿主

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デジタル大辞泉 「フィラリア」の意味・読み・例文・類語

フィラリア(filaria)

糸状虫しじょうちゅう

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百科事典マイペディア 「フィラリア」の意味・わかりやすい解説

フィラリア

糸状虫とも。線虫類に属する糸状の寄生虫。種類が多いが,日本ではバンクロフト糸状虫,マレー糸状虫で,南九州をはじめ各地に散在する。アカイエカなどのカが媒介する。成虫は10cmに及ぶものもあり,リンパ系に寄生,幼虫ミクロフィラリア)を産み,これが特に夜間に血液中に現れる。主症状は不定期の発熱発作で,慢性化して象皮病になる。治療薬はジエチルカルバマジンマファルゾールなど。なおイヌのフィラリアは,ヤブカ,ハマダラカが媒介し,心臓に寄生。ウシなどの動物寄生種のフィラリアの幼虫はヤギヒツジなどの腰麻痺(まひ)の原因となる。
→関連項目駆虫薬センチュウ(線虫)届出伝染病風土病

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世界大百科事典 第2版 「フィラリア」の意味・わかりやすい解説

フィラリア【filaria】

線形動物双腺綱糸状虫上科Filarioideaに属する寄生虫の総称。糸状虫ともいう。成虫は糸状細長で,各種脊椎動物のリンパ管(および節),血管皮下組織眼窩がんか)などに寄生し,胎生で被鞘幼虫(ミクロフィラリアmicrofilaria)を産出し,吸血昆虫によって伝播される。 人体寄生種のおもなものには,バンクロフトシジョウチュウ,マレーシジョウチュウBrugia malayiオンコセルカ,ロアシジョウチュウLoa loaなどがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フィラリア」の意味・わかりやすい解説

フィラリア
ふぃらりあ
filaria

線形動物門双腺(そうせん)綱糸状虫目(しじょうちゅうもく)に属する寄生虫のこと。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フィラリア」の意味・わかりやすい解説

フィラリア

糸状虫類」のページをご覧ください。

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世界大百科事典内のフィラリアの言及

【イヌ(犬)】より

…一般に,小型種ほど単位体重当りの必要熱量は多い。
[病気]
 イヌの病気は種々あるが,飼主が注意しなければならないのは,ジステンパー伝染性肝炎パルボウイルス腸炎,レプトスピラ病,消化器寄生虫病,フィラリア症,皮膚病などがおもなものである。ジステンパー,伝染性肝炎,パルボウイルス腸炎の病原はウイルスで,ワクチンの接種で予防できる。…

【水腫】より

…また筋肉の運動はリンパ液の灌流を促進するので,半身不随などでは麻痺側に水腫がおこりやすい。フィラリア糸状虫がリンパ管内に多数寄生すると,下肢・外陰部に高度の水腫がおこり,象皮病となる。 水腫がおこると,組織は膨張し,しわはのび緊張し,蒼白,貧血状となり,温度も下がる。…

※「フィラリア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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